2020年7月14日火曜日

皮膚疾患マメ講座 第27回 コレクチム®軟膏


このコーナーは皮膚病診療について独自の視点で解説します。

 アトピー性皮膚炎に対する新しい外用剤が登場しました。このコレクチム軟膏はステロイド(副腎皮質ホルモン)外用剤ではなく,免疫抑制外用剤になります。プロトピック軟膏の仲間と言っていいのですが,プロトピック軟膏は刺激感が強いという副作用が強いのに対して,このコレクチム軟膏はこの刺激感は弱いようです。

ステロイド外用剤も良い薬なのですが長期間使用すると皮膚が薄くなる可能性もあるので,できれば使用量を減らした方がいいに決まっています。そういう理由もあって,私はせっかく新しい薬ができたのですからコレクチム軟膏を積極的に使ってみようと考えています。なおステロイド外用剤と併用して使うこともできます。

<一般的な注意事項>
   16歳以上で使用できます。
   妊婦,授乳婦はできれば使わない。
   4週間以内で改善がない時は使用中止。
   症状が改善した場合,漫然と長期に使用しない。
   光線療法の併用はできれば避ける。
   使用量は1回5gまで。1日なら10gまで。
   ステロイド外用剤と併用可能です。


<副作用>
   ニキビやヘルペス感染症,とびひになる可能性がある。
   まず心配ないが,極端にたくさんつけると全身の免疫抑制の可能性がある。
   ひりひりするような刺激感がある。

私が聞いた話では良く効くいい薬のようですが,まだ新しい薬ですので注意深く観察していく必要があると思います。

なんだこれ?解答はコーヒーブレイクの「アマビエ様に会ってきました」でチェック。



コーヒーブレイク 第27回 アマビエ様に会ってきました


このコーナーは赤木院長の個人的な趣味を綴ったものです。下手な文章にはご容赦。

みなさん,よく聞いてください。今大人気のアマビエ様に会える一生に一度のチャンスです!!!

写真で示すようなアマビエ様をテレビや新聞でご覧になったかと思います。これは京都大学附属図書館に保存してある日本でたった1枚しかないアマビエの姿を記した絵なのです。私も一生に一度でいいから本物の絵を見てみたいと強く願っていたのですが,な,なんとこの夏だけ姫路市で見られるのです。

兵庫県立歴史博物館の特別展「驚異と怪異―モンスターたちは告げる―」が令和2年6月23日から8月16日まで開催されていて,その中でアマビエの絵が公開されています。もちろん本物の絵は写真撮影することはできませんが,1階の撮影コーナーで写真の如くアマビエ様を堂々と撮影することができます。8月16日までですよ。急いで行きましょう。

アマビエは江戸時代の弘化3年(1846年)熊本県の海中から現れた妖怪です。長い髪とくちばし,半人半魚,3本の脚の「キモカワ」の姿が特徴で,「病気が流行ったら私の写しを人々に見せなさい。」と言ったことから疫病からの守護神とされています。コロナ感染に世界が悩まされている今,一躍脚光を浴びているヒーローなのです。


アマビエをキャラクターにした品々が発売されていまして,近所のパン屋さんではアマビエパンが発売されていたのでおもわず買ってしまいました。
しかも前述の兵庫県立歴史博物館ではアマビエ様が描いてある疫病退散のお守りが,なんと無料で頂けます。なんてお得な企画でしょうか。


最後になりますがもう一つこの企画の目玉である「件(くだん)」を紹介します。件(くだん)というのは頭が人間で体が牛という妖怪で,生まれてすぐ死んじゃうそうなのですが,その予言は必ず当たるそうです。そのはく製模型は上の写真の通り,展示物の中で唯一写真撮影可能です。件(くだん)のごとし,とも文章で使われたりしますよね。