このコーナーは皮膚病診療について独自の視点で解説します。
急性湿疹であればステロイド外用剤を塗布すれば短期間で治りますが,同じ部位に繰り返し湿疹が再発すると,慢性湿疹あるいは慢性化,といった状態になり薬をつけても治りにくい難治な状態になります。
(原因)同じ場所に繰り返し刺激(例えば汗)を受ける,ついついポリポリ搔きむしってしまうのが癖になっている,あるいは皮膚科治療の中断,などがあります。
(症状)①特定の同じ場所に繰り返しできる。②固くて盛り上がった湿疹になる。
③苔癬化といって表面にしわのある皮疹を呈する。
④かゆみも強い。
⑤外用剤をつけてもなかなか軽快しない。
⑥治ったと思っても一定の時間が経つと再発する。
(治療)①強めのランクのステロイド外用剤をつける。
②かゆみが止まったから治療が終わるのではなく,つるつるになるまでつける。
③治ったと思っていてもまた再発することがあるので,再発時速やかに外用剤を塗る。
④光線療法も有効。
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このように話を聞くと永遠に治らないイメージがつくかもしれませんが,外用治療を繰り返すことによって再発する間隔が徐々に拡大してくるため治った状態に近づきます。
あとこれは一番言いたいことなのですが,このような慢性化した湿疹を治療すると色素斑化いわゆる皮膚が黒くなる状態になります。この色素斑化は外用薬の副作用ではなく慢性湿疹が治る時に色素斑化したものです。悪いのは病気であって薬のせいではありません。実際に慢性湿疹の状態ではすでに赤いというよりは黒い色を呈していることからも薬のせいではないことが分かります。
走った後の写真。走る前の写真はコーヒーブレイクコーナーで |