このコーナーは皮膚病診療について独自の視点で解説します。
なかなか治らない手湿疹について赤木独自の解釈で説明します。
(原因)主に3つあると考えています。①かぶれ:洗剤や職業上の薬品,ゴム手袋,野菜,革手に含まれる微量金属など。②汗,汗疱:汗の管が詰まって小水疱を作って発症し,非常にかゆいです。部位的には指の横側や手掌にできやすいです。夏が多いと思われがちですが,角質の固くなる冬も多いです。③慢性:繰り返し刺激を受けてできてくるタイプ。そのうちくせになって軽度の刺激で再発するようになります。
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(治療)原因についていろいろ述べてきましたが,いずれにしても治療は同じと考えます。①硬くなっている角質を溶かす。硬くなっているので皮膚がパキッと割れて亀裂ができるので角質をやわらかくする外用薬を使います。②湿疹を治療するためステロイド外用剤を使います。③かゆみがひどいときはかゆみ止め内服の抗ヒスタミン剤を使います。④特殊療法:漢方薬や光線療法など。
(日常生活の注意)①かゆい時には手を冷却させる。特に夏や入浴後。激痒の際,薬を飲んでも塗ってもすぐにかゆみはおさまりません。即効性が高いのは冷やすことだと考えます。②薬は1日3回つける。手は皮膚がぶ厚いので,3回くらいつけないと効き目が弱いです。もちろん調子よければ外用回数を減らしてもらって結構です。③薬をつけてべたべたするのが困るときは10分で洗い流す。10分経過していれば必要な成分は皮膚内に入っています。④就寝前に薬を手に塗布し手袋して寝ると薬の効果が増す,という説があり確かにそういう方もいるようですが,人によっては痒さが増すという方もいます。就寝中の手袋着用に対する赤木の意見は「その患者様の好みで決めてもらう」としています。