2025年6月25日水曜日

皮膚疾患マメ講座 第46回 癜  風(でんぷう)

 

このコーナーは皮膚病診療について独自の視点で解説します。

今回はカビが原因で夏に多い病気,癜風(でんぷう)を紹介します。

(原因)マラセチア菌,菌と書いてありますがカビの一種です。人体の皮膚に寄生するカビで,普通の人の皮膚にも寄生していますが肉眼では確認できません。脂(あぶら)が好きなカビで若い人の胸や首,背中などで,暑い時,汗をかくと増殖します。

(症状)1)若い人,夏,汗をきっかけに,2)胸や首,背中に3)まだらな黒褐色の色素斑,逆に白色斑が多数出現します。4)かゆみは通常少ないのですが,発汗時強いかゆみを感じることもあるそうです。

(診断)顕微鏡検査で癜風菌を確認します。

(治療)通常抗真菌剤の外用薬を1日1回塗布するのみで改善します。抗真菌外用剤でかぶれる事があります。塗って赤くなる,かゆくなる,ということがあれば早めに言ってください。

皮疹が広範囲だったり,外用薬を塗るのが困難な部位の場合には抗真菌剤の内服薬(イトラコナゾール)を内服してもらうこともあります。

場合によっては治癒後長期にわたり色素異常を残すことがあります。

(生活指導)夏に再発しやすいことで有名です。発汗後シャワーをしてください。コラージュフルフル®というカビに効くボディソープもドラッグストアなどで売っているので有効に使ってください。



コーヒーブレイク 第46回 朝の連ドラ出演こぼれ話

 このコーナーは赤木院長の個人的な趣味を綴ったものです。下手な文章にはご容赦。

 前回,朝の連続テレビ小説「おむすび」にエキストラ出演したことを書きました。撮影現場の事をペラペラ話すことはあまりよくない事なので,それとは無関係の赤木がアタフタした出来事を話そうと思います。

 

 <エピソード1:話の展開が早すぎる>

今年1月放送の第75話,主人公の結が赤ちゃんを連れて病院を訪れるシーンが昨年11月に姫路市で撮影され,赤木も参加していました。11月の段階の放送では結はまだまだ結婚する気配もなく,自分だけ2か月先の話の秘密を知っていてほくそ笑んでいました。ところが年が改まって,その第75話の1週間前の第70話の段階になっても,結と結婚相手の双方の親がけんかして結婚できない始末。

「一体どうなるんだ,1週間後に赤ちゃんは本当に生まれるのか?」と赤木がアタフタ。すると・・・

70話で双方の親がいきなり和解,結婚の許可を得て,結婚式はせずに指輪交換だけの結婚。さらには次の第71話で結が妊娠中毒になり入院,翌第72話ではなんと早くも出産,さらには東北震災発生と怒涛の展開。それでも予定通り第75話では私が撮影に携わったシーンが予定通り無事放映されました。

いやはや「展開が早くてついていけない」という意見があったのもうなずけますね。

 


<エピソード2:主人公がいない>

75話に管理栄養士になることを決意した主人公の結。その2週間後に放送の第86話,無事管理栄養士になった結が颯爽と働くシーンも昨年11月姫路市で撮影され,赤木も映りました。

私の予想では第7685話の2週間にわたり結が懸命に勉強し努力して管理栄養士になる様子を描かれるものだとばかり思い込んでいたところ,なんと主人公の結が一切出演しない!他の登場人物(お姉さん)の話です。「一体どうなるんだ,主人公が変わるのか?オレの出番はどうなるんだ?」と赤木がアタフタ。すると・・・

主人公の結が管理栄養士になるまでの過程は一切省かれ,第86話で成長した結がいきなり登場しました。

主役の橋本環奈さんが超多忙で別撮影があるため彼女不在の週が2週間もあったということです。

いやはや「主人公不在でどうなってんのよ」という意見があったのもうなずけますね。

 

2025年3月30日日曜日

皮膚疾患マメ講座 第45回 金属パッチテスト

 

このコーナーは皮膚病診療について独自の視点で解説します。

(パッチテストについて)

金属アレルギーを調べる検査は血液検査ではできません。背中に液体の金属を貼り付けるパッチテストを行います。状況にもよりますが最多で15種類の金属アレルギーを調べることができます。

ただむやみやたらと行うべき検査ではないので必要な方だけにおすすめします。

 

(パッチテストの方法)

1日目:背中に金属を貼ります。

金属を貼ってから3日目に外すまでぬらしてはいけません。入浴禁止です。洗髪だけならいいですが,背中がぬれると検査のやり直しになります。可能なら検査前に入浴しておく事がいいでしょう。

 3日目:背中の金属を外し、1回目の判定。

  入浴OKですが,背中は濡らす程度で洗

わないでください。

 4(~5)日:2回目の判定。

 

(パッチテストの注意点と検査リスク)

★1)検査部位がかゆくなることがあります。軽度のかゆみであれば問題ありませんが,我慢できないくらいかゆい場合はその部分をはさみで切り取り,外してください。

2)パッチテストの陽性部位が湿疹になることがあります。検査終了後ステロイド外用剤を塗布しますが痕が残ることがあります。かゆみのある湿疹が続く事もあります。

3)めったにありませんが,パッチテストをすることにより金属アレルギーを引き起こす可能性が指摘されています。

4)さらに起きる可能性は低いのですが,検査をすることにより予想もできないトラブルが起きる可能性もあります。これは手術の際にも同様に説明する事です。

当院では承諾書は取りませんが,よく読んでおいてください。若干リスクのある検査といえます。

文章と無関係の姫路城マラソンの写真です。


コーヒーブレイク 第45回 2つのテレビドラマに出演

 このコーナーは赤木院長の個人的な趣味を綴ったものです。下手な文章にはご容赦。

 今年度後半,立て続けに2本テレビドラマにエキストラ出演しました。

 1本目は日曜劇場の「U」です。長崎県軍艦島をモデルにした炭鉱での人間ドラマでしたね。撮影は兵庫県北部の鉱山跡で撮影が行われ,炭鉱夫の役で出演しました。といっても後ろ姿のヘルメットだけでしたが。

 「長崎まで行ったんですか?」と質問を受けますが,いえいえ兵庫県から出ちゃあいません。そんな遠くには行きません。よくある誤解なのですが,長崎の話でもあちこちで撮影されてそれをつなぎ合わせているのです。決して長崎県だけで撮影されているわけではないのですね。

文章とは無関係の姫路城マラソンの写真です。


 もう1本は朝の連続テレビ小説「О」です。HKさん演じる米田結の波乱万丈な人生。ギャルになったり栄養士になったり。

 赤木は医師役で,HKさんと病院の廊下ですれ違うシーンが放映され,赤木の後ろ姿がバッチリ映りました。撮影時Kさんと最短30cmまで近づくことができましたよ。

今まで映画でエキストラ出演しても反応は少なかったのですが,今回の「おむすび」だけは反響が大きくてあちこちより「出演おめでとうございます」のメールを多くいただきました。ちょっとしたスター気分ですね。朝の連続テレビ小説&HKさんの偉大さを身に染みて感じました。

何人もの有名俳優さんにも会えましたし,いろいろエピソードもあるのですが,そういうことはこういう場では書いてはいけないことになっています。それでもいつか(次回?)赤木がアタフタした話も紹介する予定です。

10年前に大河ドラマ「軍師官兵衛」に出演したこともあり,日本3大連続テレビドラマ(と私が勝手に言っている)大河ドラマ,日曜劇場,そして朝の連続テレビ小説のエキストラ出演を制覇しました。これは大きな自慢ですね。

2025年1月3日金曜日

皮膚疾患マメ講座 第44回 慢性色素性紫斑

 このコーナーは皮膚病診療について独自の視点で解説します。

慢性色素性紫斑は,中年以降の人の下腿に皮下出血である紫斑が多数出現し,慢性に繰り返す疾患です。数mm~2㎝大の紫斑が数十個もあると見た目が悪くショックを受ける人もいます。かゆみはほとんどないのですが,まれに非常にかゆがる人もいます。

(原因)下肢に血液がたまりやすい体質と関連があります。年を取って脛(すね)のあたりがむくんだり,静脈が浮いている人は要注意です。この体質に原因不明の小血管の炎症が加わると,血管から赤血球がもれて慢性色素性紫斑になります。

(治療)①出血を抑える止血剤:アドナ(カルバゾクロムスルホン酸ナトリウム)内服。②血管を強くする薬:トラネキサム酸。③血管炎の炎症を抑える薬:セファランチン,トラニラスト。①~③,特に①が大事と考えます。

内服薬以外には効果は限定的ですが④炎症を抑えるステロイド外用薬,特殊治療として⑤紫外線療法,があります。

(日常生活の注意)下肢に負担をかけないよう長時間の立ち仕事を避け,足を高くして休憩を取るようにしましょう。

(予後)既にできてしまった紫斑は数か月で自然に吸収されますが,別部位に紫斑が新生するのでなかなか完治しません。体質の影響も大きく,再発も多いです。あまりストレスに感じすぎず気持ちを楽に持つことも大事です。

内臓に異常はないので生命予後に問題はありません。

 

      この写真は何だ?と思った人はコーヒーブレイク#44を見てください。

コーヒーブレイク 第44回 知念実希人さんに会ってきました

 

このコーナーは赤木院長の個人的な趣味を綴ったものです。下手な文章にはご容赦。

 約1年前の話ですが,私の好きな小説家の知念実希人(ちねんみきと)さんのサイン会に参加しました。こういう小説家のサイン会というのは通常都会で行われるものなので今回のように飾磨の本屋さんで行われる事はとても珍しいと言えます。作家さんというと時々気難しい方がいらっしゃるのですが,知念さんはとても気さくでおだやかな性格でした。名前からも分かるように沖縄県出身で,東京の医科大学を卒業された医師出身の作家さんです。私が医師であり大学で働いていた時は講師で医局長だったことを話すと,現在の大学医局の大変さをよく理解しておられ,私に熱く語ってくれました。


 

そんな知念実希人さんの好きな作品を2つ。

一つ目は「ひとつむぎの手」。この作品は大学医局が舞台で,外科医局の独特な世界観,人手不足の現状,そしてそこで働く人々の人間関係が描かれています。大学教授に「君が指導している三人のローテート研修医のうち二人を外科入局させることに成功すれば,君を念願の病院に出向させてやる。その代わり失敗すれば左遷。」と命令を受ける,そんな物語です。

 二つ目は「機械仕掛けの太陽」。この作品はコロナ感染症で混乱を極める日本を舞台に,①大学病院の勤務医でシングルマザー,②同じ病院に勤務する20代の女性看護師,③引退間近の70代の町医者,の3人の未知のウイルスとの戦いの話です。

 そして2025年の話題といえばなんといっても「天久鷹央の推理カルテ」のアニメ化でしょう。天久鷹央って読めますか?アメクタカオですよ。男っぽい名前だけど女性ですよ。すでに16冊くらいシリーズが続いています。決め台詞は「その病気(ナゾ),私が診断を下してやろう!」。この話はそんなに肩がこらずに楽しめる作品なので,皆様ぜひともTVでご覧ください。

 BS112025年1月1日24:00

 読売テレビ:20251625:59

2024年10月11日金曜日

皮膚疾患マメ講座 第43回 手湿疹

 

このコーナーは皮膚病診療について独自の視点で解説します。

なかなか治らない手湿疹について赤木独自の解釈で説明します。

(原因)主に3つあると考えています。①かぶれ:洗剤や職業上の薬品,ゴム手袋,野菜,革手に含まれる微量金属など。②汗,汗疱:汗の管が詰まって小水疱を作って発症し,非常にかゆいです。部位的には指の横側や手掌にできやすいです。夏が多いと思われがちですが,角質の固くなる冬も多いです。③慢性:繰り返し刺激を受けてできてくるタイプ。そのうちくせになって軽度の刺激で再発するようになります。

何だこれと思った人はコーヒーブレイク第43回をチェック


(治療)原因についていろいろ述べてきましたが,いずれにしても治療は同じと考えます。①硬くなっている角質を溶かす。硬くなっているので皮膚がパキッと割れて亀裂ができるので角質をやわらかくする外用薬を使います。②湿疹を治療するためステロイド外用剤を使います。③かゆみがひどいときはかゆみ止め内服の抗ヒスタミン剤を使います。④特殊療法:漢方薬や光線療法など。

(日常生活の注意)①かゆい時には手を冷却させる。特に夏や入浴後。激痒の際,薬を飲んでも塗ってもすぐにかゆみはおさまりません。即効性が高いのは冷やすことだと考えます。②薬は1日3回つける。手は皮膚がぶ厚いので,3回くらいつけないと効き目が弱いです。もちろん調子よければ外用回数を減らしてもらって結構です。③薬をつけてべたべたするのが困るときは10分で洗い流す。10分経過していれば必要な成分は皮膚内に入っています。④就寝前に薬を手に塗布し手袋して寝ると薬の効果が増す,という説があり確かにそういう方もいるようですが,人によっては痒さが増すという方もいます。就寝中の手袋着用に対する赤木の意見は「その患者様の好みで決めてもらう」としています。