2024年10月11日金曜日

皮膚疾患マメ講座 第43回 手湿疹

 

このコーナーは皮膚病診療について独自の視点で解説します。

なかなか治らない手湿疹について赤木独自の解釈で説明します。

(原因)主に3つあると考えています。①かぶれ:洗剤や職業上の薬品,ゴム手袋,野菜,革手に含まれる微量金属など。②汗,汗疱:汗の管が詰まって小水疱を作って発症し,非常にかゆいです。部位的には指の横側や手掌にできやすいです。夏が多いと思われがちですが,角質の固くなる冬も多いです。③慢性:繰り返し刺激を受けてできてくるタイプ。そのうちくせになって軽度の刺激で再発するようになります。

何だこれと思った人はコーヒーブレイク第43回をチェック


(治療)原因についていろいろ述べてきましたが,いずれにしても治療は同じと考えます。①硬くなっている角質を溶かす。硬くなっているので皮膚がパキッと割れて亀裂ができるので角質をやわらかくする外用薬を使います。②湿疹を治療するためステロイド外用剤を使います。③かゆみがひどいときはかゆみ止め内服の抗ヒスタミン剤を使います。④特殊療法:漢方薬や光線療法など。

(日常生活の注意)①かゆい時には手を冷却させる。特に夏や入浴後。激痒の際,薬を飲んでも塗ってもすぐにかゆみはおさまりません。即効性が高いのは冷やすことだと考えます。②薬は1日3回つける。手は皮膚がぶ厚いので,3回くらいつけないと効き目が弱いです。もちろん調子よければ外用回数を減らしてもらって結構です。③薬をつけてべたべたするのが困るときは10分で洗い流す。10分経過していれば必要な成分は皮膚内に入っています。④就寝前に薬を手に塗布し手袋して寝ると薬の効果が増す,という説があり確かにそういう方もいるようですが,人によっては痒さが増すという方もいます。就寝中の手袋着用に対する赤木の意見は「その患者様の好みで決めてもらう」としています。

コーヒーブレイク 第43回 優里さんのコンサートに行く

 

このコーナーは赤木院長の個人的な趣味を綴ったものです。下手な文章にはご容赦。


 令和6年8月25日アクリエ姫路で優里さんのコンサートがあり行ってきました。優里さんは,最近赤木がはまっている歌手です。いくつかの曲を紹介します。



 一番有名な曲は「ドライフラワー」かな。カラオケで上手に歌えるととても気持ちのいい曲ですよね。サビは,

 

 声も顔も不器用なとこも 

全部全部嫌いじゃないの

ドライフラワーみたい 君との日々も

きっときっときっときっと 色あせる

 

 次に有名な曲は「ベテルギウス」ですか。

 

 僕ら見つけあってたぐりあって同じ空

 輝くのだって二人だって約束した

 遥か遠く終わらないベテルギウス

 誰かにつなぐ魔法

 

 ファンで人気のあるのは「ビリミリオン」。人生はお金では買えないことを訴える,人生の応援歌です。「僕らが生きる時間は決して安いものじゃないから 頑張ろう 頑張ろう   頑張れ」

 赤木個人のお気に入りは「恋人じゃなくなった日」。一番は彼女とけんか別れして恋人じゃなくなり,二番は彼女と再会してよりを戻して結婚して家族になるから恋人じゃなくなったというのが,ハッピーエンドでいいですね。

2024年7月11日木曜日

皮膚疾患マメ講座 第42回 帯状疱疹

 

このコーナーは皮膚病診療について独自の視点で解説します。

(原因)幼いころ罹患した水ぼうそうのウイルスが,脊髄後根にかくれていて,一生に1回甦ったものです。脊髄からでる左右いずれかの神経領域の皮膚で水疱を作り,知覚神経を食べて神経痛のようなピリピリヒリヒリした痛みが出ると考えてください。小児では痒く感じることがあります。また一生に1回と言いましたが,人間長生きするようになって2回目が出る人も多くなってきました。

(皮膚症状)水ぼうそうのような水疱が集簇して,左右どちらか一方の神経領域に一致するように発症します。①最初はチクチクピリピリした痛み②その部分が赤い浮腫になって③水ぶくれができて一部黄色くなります④2~3週間で黒褐色のかさぶたになります。

(治療)①抗ウイルス剤:まずは抗ウイルス剤の内服薬を1週間飲みます。効果を発揮するのに2~3日かかりますので,最初皮疹が拡大することがあります。②鎮痛薬:痛みを抑えるためにロキソニンを内服してもらいます。強い痛みがあるときは別の神経を抑える薬を追加します。それでも我慢できない痛みが残るなら麻酔科で神経ブロックなどをしてもらう必要があります。③皮膚潰瘍:皮疹部が深い傷になって皮膚潰瘍化することがあります。この場合傷の手当が必要になります。

(日常生活の注意)①休養:できるだけ休養して安静にした方がいいです。仕事や学校を休むことまではしなくてもいいですが,少し怠けている位が丁度いいです。体育や不要な運動も控えてください。②入浴:入浴はOKです。温めた方がいいです。ただし傷が深い場合,浴槽は避けてシャワーで済ませてください。③消毒:消毒はしなくていいです。④飲酒:飲酒は控えて下さい。⑤痛い時は冷やすか温めるか?:温めた方が痛みは和らぎます。使い捨てカイロで温めるのもいいですが,そのまま寝てしまうと大やけどになるので起きている時だけ使ってください。⑥他人にうつる?:水ぼうそうにかかったことのない人に水ぼうそうとしてうつることがあります。帯状疱疹から帯状疱疹はうつりません。小さなお子さんや妊婦さんには触らせないようにしましょう。

(予後)油断ができないことで有名な病気です。1週間後には必ず受診してください。その時痛みがなくても,その後ひどい痛みが出てくることがあります。いわゆる帯状疱疹後神経痛ですね。

また広範囲の皮膚潰瘍になり傷の手当てを必要とすることがあります。さらに醜い傷跡として残ることもあります。

           


コーヒーブレイク 第42回 映画「A」,「J」に出演

 このコーナーは赤木院長の個人的な趣味を綴ったものです。下手な文章にはご容赦。

 数年に1回登場する赤木院長のエキストラ活動記録です。20244月には映画「A」と,5月には映画「J」が立て続けに公開されました。

 特に「A」は現代劇ですので普段の恰好をした赤木がばっちり確認できます。上映開始9分後,主人公の勤務する会社の部長の役で約5秒登場します。机から離れて移動する動きあり,口パクですが部下と打ち合わせするセリフありという自慢の出演シーンです。

             

写真はイメージです。

こう書くといかにも画面の中央にどっかり映っていると想像されるかもしれませんが所詮はエキストラなので左上の端っこにしか映っていません。誤解のないように。それでもエキストラの立場としては最上級の出演なのです。全然映らないことも普通によくありますから。

映画の内容は,尼崎を舞台に2人の女性が人生の困難や騒動に立ち向かい,最後には人と人との絆に感動するというハートフルコメディ。ラストは当然ハッピーエンドですよ。

「J」は正義のヒーローものの時代劇です。内容もシンプルで肩が凝らずに観られる映画です。映画の前半に大掛かりなアクションシーンがありその場面で町人役として登場します。

あちらこちらにちょこちょこと登場するのですが,時代劇のためカツラをかぶっていますし眼鏡も外しているので,ぱっと見で赤木とは判別できないと思われます。

まあこんなものかと少しがっかりしていたところ,なんと映画のパンフレットの写真に赤木が写っているではないですか。一発大逆転で大感激の気持ちです。

こんな話を読むと,俳優さんの事や撮影事情をもっと知りたいという方もいらっしゃるかもしれません。でも,エキストラ活動で知った映画の内容や俳優さんの情報などは話してはダメなことになっています。悪しからずご了承下さい。

2024年3月27日水曜日

皮膚疾患マメ講座 第41回 花粉食物アレルギー

 このコーナーは皮膚病診療について独自の視点で解説します。

花粉食物アレルギーは花粉症,花粉アレルギーになったことによって果物の食物アレルギーを生じることです。果物に花粉アレルギーの原因物質と類似した構造が含まれるから起きるのです。

最も典型的なパターンはシラカンバ,ハンノキといったカバノキ科の植物の花粉アレルギーになってバラ科の果物(リンゴ,桃,サクランボ)やマメ科(大豆,豆乳,もやし)で食物アレルギーを誘発されます。このため春に多い疾患です。

学童期から成人に発症しやすく,症状は原因の果物を食べると唇や舌,のどのイガイガ感がよく言われますが,嘔吐下痢といった消化器症状やひどい場合はアナフィラキシーもあるそうです。

乳幼児期は果物アレルギーでじんましん,湿疹,かゆみを起こすと言われていますから,口腔咽頭症状だけでなく,皮膚の症状が起きることもあるのではないかと赤木は考えています。

           

関係ありませんが、もうすぐなくなる旧型やくも車両です

私の友人は,日本に比べシラカンバの木が多いドイツに住むようになったためシラカンバアレルギーになってしまい,そのシラカンバアレルギーからさらにリンゴアレルギーにもなってしまい,好物のリンゴが食べれなくなってしまったと嘆いています。

果物を食べなければいいのですが,抗ヒスタミン剤内服により症状が緩和し食べれることが多いようです。また加熱したものは食べれます。

気になるようでしたらアレルギー検査を受けましょう。食物アレルギーの検査ではなく花粉アレルギーの検査で判明します。

クリニックにある赤木皮膚科クリニック便りには分かりやすく表をつけていますので詳しくはそちらをご覧ください。

コーヒーブレイク 第41回 市民公開講座&ランチョンセミナー

 

このコーナーは赤木院長の個人的な趣味を綴ったものです。下手な文章にはご容赦。

 みなさん「皮膚の日」を知っていますか。いいひふの日ということで1112日なのです。兵庫県皮膚科医会ではこの「皮膚の日」にちなんだ行事として20231111日に市民公開講座を神戸国際会館で行い,その栄えある講師として,なんと私が選ばれました。

 今回は皮膚真菌症がテーマでタイトルは「今こそ治そう,水虫とタムシ」です。兵庫県皮膚科医の代表として恥をかかないよう精一杯発表してきました。

 それでも内容は普段赤木が診療で話していることなので,自院の患者さんが聞いたら「なんや,普段聞いとることと同じ内容や」と言われてしまいそうです。

母親も観客として来てくれました。いい親孝行だったかなと思います。

市民公開講座、司会の鶴先生と
 

 話は変わって,みなさん「ランチョンセミナー」って知っていますか?
 これは学会の会場で,製薬会社の提供するランチの弁当を食べながら参加者が講義を聞くというセミナーです。

 これはもう1年半前になっちゃいますが20221127日に神戸で行われた日本臨床皮膚科医会近畿ブロック総会で,私がこのランチョンセミナーの講師をしました。これも真菌の内容ですが,参加者が皮膚科の医師ばかりですから専門的な話をしました。

 みんなが弁当食べている時に一人講演をしててお腹が空かないのかなあ,疑問に思われるかもしれませんが,実はこの講演に先立って別室で弁当を早めに食べてお腹を膨らませていますから大丈夫です。

 まあこんな風に大勢の前で講演ができることはとても光栄なことです。私を選んでいただいた関係者に感謝の気持ちでいっぱいです。

          

ランチョンセミナー、学会会場で

2024年1月17日水曜日

皮膚疾患マメ講座 第40回 慢性じんましん

 このコーナーは皮膚病診療について独自の視点で解説します。

 慢性じんましんは1ヶ月以上じんましんを繰り返す疾患で,原因は不明と言えます。アレルギー検査を調べても分からないのです。でも原因は必ずあるわけで,赤木は体内に「毒」が入っていると説明しています。毒の正体が分からないのですね。

この慢性じんましんの場合,原因を突きとめるより治療の方が優先です。じんましんの治療薬である抗ヒスタミン薬を継続的に服用するとじんましんを抑えることができます。早く薬の内服をやめたいという気持ちから,じんましんが収まったので内服を早急にやめてしまうとすぐに再発してしまいます。こうなると「いつ蕁麻疹が治るのか」と不安でストレスが溜まってしまいます。



 赤木はこうしたストレスを溜め込まないために抗ヒスタミン薬の定期内服と「病気とつきあう気持ちを持つこと」も大事だとアドバイスしています。その方が気分的にも楽になるはずです。

 とはいえ,薬はできるだけ飲みたくないという気持ちもよく分かります。そこで薬の減量について説明します。

抗ヒスタミン薬の減薬は,薬を飲んでいてもじんましんが1週間出なければ今の半分に減量し,それでもじんましんが1週間でなければさらに半分に減量,というように徐々に半減することを指標としています。もし半減してじんましんが再発するなら減前の量に戻します。例えば12錠内服→11錠内服→2日に1錠内服→出た時だけ内服、という感じです。