2014年4月8日火曜日

皮膚疾患マメ講座  第3回 尋常性白斑


❃❃❃ 皮膚疾患マメ講座 ❃❃❃

このコーナーは皮膚病診療について独自の視点で解説します。

第3回 尋 常 性 白 斑

今回は尋常性白斑のお話です。難治なことで有名な疾患で、他の皮膚科で「一生治らないよ。」と言われた患者様の話も聞いたことがあります。しかし当院には姫路市に1台しかないエキシマライトという秘密兵器の機械があります。このエキシマライト治療によって赤木皮膚科では尋常性白斑がかなり治るようになってきました。

尋常性白斑は部分的に皮膚の色が抜けて白くなる病気で「しろなまず」ともよばれます。数が多いとまだらもようになります。命に別状にないものの外観の見栄えが悪く患者様は心理的なストレスを負うことになります。
原因は免疫異常によるものです。通常免疫というのは細菌やウイルスをやっつけるものですが、免疫異常があるため誤って色素を作る細胞を攻撃するようになり色素ができなくなるため色が抜けてしまうのです。

軽症ではステロイド外用剤や外用免疫抑制剤で治ることもあります。他にビタミンD3外用剤が使われることもあります。
しかし治療の基本は紫外線療法です。紫外線治療といえば、ナローバンドUVBという機械が多くの皮膚科医院で用いられています。他の疾患ではナローバンドUVBも治療効果があるのですが、残念ながら尋常性白斑に対しては治療効果は少ないといえるでしょう。このナローバンドUVBの治療波長は310nmなのですが、これが308nmに変更したものがエキシマライト。波長がほんのわずかに異なるだけで非常に強力かつ副作用が少ないタイプになりました。当院にはナローバンドUVBの機械もありますから、エキシマライトと尋常性白斑に対する治療効果を比較することが可能ですが差は歴然。エキシマライトを購入してからは尋常性白斑の白斑部に色がつくようになってきました。

しかしそれでも広範囲の白斑の患者様では治療に難渋することもあります。エキシマライトの開発は尋常性白斑の治療に光明が差しこんだと言えますが完全ではありません。今後の研究の課題です。
治療ではありませんがダドレス®をはじめ白斑を隠すメーキャップ化粧品も開発されています。通院できない方あるいは治療効果の少ない方には日常の心理的ストレスを軽減していただくためにこうしたメーキャップも必要と思われます。