2021年7月29日木曜日

皮膚疾患マメ講座 第31回 ニキビのピーリング剤

 

このコーナーは皮膚病診療について独自の視点で解説します。

ニキビ治療には2通りの段階があります。1つ目は赤ニキビのニキビ菌の退治,2つ目は白ニキビの毛穴のつまりを改善することです。この2つ目の毛穴のつまりを溶かすピーリング薬にはベピオゲル,ディフェリンゲル,エピデュオゲルなどがあります。

関係ありませんが、川西市の多田神社に行ってきました。


どの薬もニキビ治療に大事な働きをするのですが角質を溶かす成分が入っているので,赤み,ヒリヒリ感,皮がむける,皮膚乾燥といった副作用がでることがあります。特に赤みがひどい時は使用中止して,赤みに対する治療をしなくてはなりません。そうならないよう予防のために保湿剤を併用します。薬をつける順番としては

1)      保湿剤(予防的)

 

2)      ピーリング剤(広めに外用)

 

3)      保湿剤(予防的)

 

4)      抗菌剤(赤いニキビに)

 

の順番につけるのですが,個人によってつける薬や回数が変わってきます。

 私の考えるピーリング剤外用のコツは

1)      副作用の出にくいおでこからはじめる。

2)      最初はニキビだけに塗って,次の日、さらに翌日と塗る範囲を少しずつ広げる。

3)      ピリピリするなら10分で流す。

4)      ピリピリするなら慣れるまで外用回数を23日に1回に減らす。

 はじめの2週間は皆さん用心してピーリング剤を小範囲にのみ使うのですが,2回目の診察後「もう大丈夫」だと安心しきってしまい,いきなり保湿剤を使用しなくなったり大胆にピーリング剤を使う患者様がいらっしゃいます。その結果ピーリング剤にかぶれて薬を塗った部位が真っ赤になってしまうことがあります。そんなときはピーリング薬の使用をやめて赤木皮膚科へ急いで受診してください。かぶれの治療をする必要があります。


ここはどこだ?知りたい人はコーヒーブレイク第31回をチェック


コーヒーブレイク 第31回 コロナワクチン大型接種会場へ出務

 

このコーナーは赤木院長の個人的な趣味を綴ったものです。下手な文章にはご容赦。


先日の話ですがコロナワクチンの大型接種会場へ出務してきました。私を含め2人の医師で500名の接種者の予診票をチェックし,6人の看護婦さんでワクチン注射の作成,注射をするようになります。そして接種された方はアナフィラキシーとかが起きないか約15分別室で待機して問題なければ帰宅してもらうようになります。



今回のコロナワクチンは-6090℃とかで保存,輸送の必要があり,1バイアルでも無駄にしないよう気をつけないといけないのでクリニックで導入するのはかなり面倒で難しいのです。インフルエンザワクチンで慣れているはずの内科医院でさえ導入を断念したところもあります。

 しかし大型会場では医師は医師の役割を,事務員は事務員の役割を,ワクチンに対する保険や運送などはそれぞれの専門家にその役割を任せられるので,安心して自分の仕事に専念することができました。私は277名の接種希望者の予診をチェックし,副作用の可能性など説明するところは説明し,体調の悪い方には本日のところは接種を見送るように段取りをしました。めったにない事ですがワクチンによるアナフィラキシーの可能性もあるので心の準備もしていたのですが,幸いにもそのような方は現れませんでした。

 一皮膚科開業医ではありますが,コロナ禍の世間に対してわずかにでも貢献できたことに喜びを感じています。

 なお当院の看護婦である住所さんと山本さんも,赤木とは別の日ではありますがワクチン接種の看護婦として出務していたことも伝えておきます。

 新型コロナ感染症が一日も早く終息することを祈念しております。