2025年1月3日金曜日

皮膚疾患マメ講座 第44回 慢性色素性紫斑

 このコーナーは皮膚病診療について独自の視点で解説します。

慢性色素性紫斑は,中年以降の人の下腿に皮下出血である紫斑が多数出現し,慢性に繰り返す疾患です。数mm~2㎝大の紫斑が数十個もあると見た目が悪くショックを受ける人もいます。かゆみはほとんどないのですが,まれに非常にかゆがる人もいます。

(原因)下肢に血液がたまりやすい体質と関連があります。年を取って脛(すね)のあたりがむくんだり,静脈が浮いている人は要注意です。この体質に原因不明の小血管の炎症が加わると,血管から赤血球がもれて慢性色素性紫斑になります。

(治療)①出血を抑える止血剤:アドナ(カルバゾクロムスルホン酸ナトリウム)内服。②血管を強くする薬:トラネキサム酸。③血管炎の炎症を抑える薬:セファランチン,トラニラスト。①~③,特に①が大事と考えます。

内服薬以外には効果は限定的ですが④炎症を抑えるステロイド外用薬,特殊治療として⑤紫外線療法,があります。

(日常生活の注意)下肢に負担をかけないよう長時間の立ち仕事を避け,足を高くして休憩を取るようにしましょう。

(予後)既にできてしまった紫斑は数か月で自然に吸収されますが,別部位に紫斑が新生するのでなかなか完治しません。体質の影響も大きく,再発も多いです。あまりストレスに感じすぎず気持ちを楽に持つことも大事です。

内臓に異常はないので生命予後に問題はありません。

 

      この写真は何だ?と思った人はコーヒーブレイク#44を見てください。

コーヒーブレイク 第44回 知念実希人さんに会ってきました

 

このコーナーは赤木院長の個人的な趣味を綴ったものです。下手な文章にはご容赦。

 約1年前の話ですが,私の好きな小説家の知念実希人(ちねんみきと)さんのサイン会に参加しました。こういう小説家のサイン会というのは通常都会で行われるものなので今回のように飾磨の本屋さんで行われる事はとても珍しいと言えます。作家さんというと時々気難しい方がいらっしゃるのですが,知念さんはとても気さくでおだやかな性格でした。名前からも分かるように沖縄県出身で,東京の医科大学を卒業された医師出身の作家さんです。私が医師であり大学で働いていた時は講師で医局長だったことを話すと,現在の大学医局の大変さをよく理解しておられ,私に熱く語ってくれました。


 

そんな知念実希人さんの好きな作品を2つ。

一つ目は「ひとつむぎの手」。この作品は大学医局が舞台で,外科医局の独特な世界観,人手不足の現状,そしてそこで働く人々の人間関係が描かれています。大学教授に「君が指導している三人のローテート研修医のうち二人を外科入局させることに成功すれば,君を念願の病院に出向させてやる。その代わり失敗すれば左遷。」と命令を受ける,そんな物語です。

 二つ目は「機械仕掛けの太陽」。この作品はコロナ感染症で混乱を極める日本を舞台に,①大学病院の勤務医でシングルマザー,②同じ病院に勤務する20代の女性看護師,③引退間近の70代の町医者,の3人の未知のウイルスとの戦いの話です。

 そして2025年の話題といえばなんといっても「天久鷹央の推理カルテ」のアニメ化でしょう。天久鷹央って読めますか?アメクタカオですよ。男っぽい名前だけど女性ですよ。すでに16冊くらいシリーズが続いています。決め台詞は「その病気(ナゾ),私が診断を下してやろう!」。この話はそんなに肩がこらずに楽しめる作品なので,皆様ぜひともTVでご覧ください。

 BS112025年1月1日24:00

 読売テレビ:20251625:59