このコーナーは皮膚病診療について独自の視点で解説します。
蜂窩織炎は黄色ブドウ球菌,化膿性連鎖球菌が,皮膚の小さな傷から皮膚の下に入って,真皮や皮下脂肪で増殖,細菌感染となった疾患です。広範囲に赤くなって腫れあがって局所の熱がでます。
今回は下腿の蜂窩織炎で,患者様に許可を得て写真を提示します。下腿はリンパ管が豊富なため,リンパ管にも感染を及ぼし患側の下腿はとても腫れあがって,正常側の下腿にくらべ太さが2倍くらいに大きくなることもあります。
症例1は皮膚表面に小水疱~水疱が生じているので,元はケガあるいはとびひのようなものから細菌感染したのかもしれません。症例2は手術痕があり,周囲の皮膚が弱くそこから細菌感染したと考えられます。
治療は抗生物質の内服あるいは点滴治療になります。また傷の手当てもいります。局所安静,足の挙上なども必要です。