2026年7月23日木曜日

皮膚疾患マメ講座 第50回 足の汗疱(かんぽう)

 

(汗疱とは)

     汗の管がつまって足の指や,足底,足縁に小さい赤い紅斑や小水疱,環状の皮むけができる湿疹です。

     足にできるので水虫と勘違いして来られる患者様が多いです。実際水虫と区別がつきにくいこともあります。鑑別のため顕微鏡検査が必要になります。

     出来立ての紅斑,小水疱は結構かゆいことがあります。

     「汗」ということで汗の量が多い夏の疾患というイメージですが,冬は汗の管が硬くなってつまりやすくなるため冬にも生じますし,あるいはその後暖かくなって汗をかくことになる春(5月頃)も患者数が多いです。

(治療)

     外用剤:かゆい時には湿疹を治すステロイド外用剤を,かさかさ皮疹が目立つ場合はこれを溶かすサリチル酸ワセリンを使います。

     内服:かゆさのため眠れないようならかゆみ止めの薬を処方します。

     その他:しかし何といっても一番速効性が高いのは冷やすことです。冷たいタオル,シャワー,寝ているときは氷枕などもいいかもしれません。

お風呂の温度を38度にしてぬるくする,長風呂はやめる,など普段の生活のちょっとした工夫の方が薬より効きます。薬に頼りすぎないようにしましょう。

※治りにくい時は水虫の可能性もあります。



コーヒーブレイク 第50回 じりじり侍

  今回は私がチャンバラ,すなわち刀を使って戦闘シーンを体験した話です。えっ,殺陣(たて)ができるのかって?できるわけないじゃないですか。今まで時代劇の撮影にいくつか参加しましたが,刀を持たせてもらえてもその刀は鞘(さや)と一体になっていて鞘から抜くことができない模造刀ばかりでした。いつか撮影で刀を鞘から抜いて戦いたい。そんな願いが叶う日が来たのです。



撮影場所は書写山圓教寺。ストーリーは4人の正義の侍が悪の集団に囲まれるものの,互いの得意技を用いて切り抜けるという内容です。私を含め50人程度のエキストラが集まった所に助監督さんが説明してくれます。

「皆さんには刀を抜いて戦闘シーンに加わって頂きます。ただし危ないので刀は振り回してはいけません。後ろに振りかぶると後ろの人に当たって怪我をさせてしまいます。刀を使うなら刀は立てたまま上下に動かすだけで他人に当たらないように使ってください。」

ま,そうですよね。私にリアルなチャンバラができるわけもなし。

「皆さんは,じりじり侍です。正義の4人を取り囲んで,刀は動かさず,かといってじっとしているのは緊張感がないので,前後左右にすり足でじりじり動いてください。」

なるほど。主人公に向かって「かかってこいよ。」と気合いをこめて前方にすり足でにじり寄ってじりじりじり。「少しあぶないな。」と用心して後方に下がってじりじりじり。「陰に隠れて右から攻めるか。」と右にじりじりじり。「いや,右は罠かもしれない。左の方が弱点だな。」と左にじりじりじり。とまあ,真剣に戦っているけど手は出さずという演技をします。

さあ,いよいよ本番です。4人の正義の侍の中でも一番主人公のWKさんの殺陣のシーンです。WKさんは大河ドラマにも出演している有名な二枚目俳優です。WKさんに向かってプロの殺陣師3人が襲いかかります。赤木はじりじり侍ですが,その後ろにいるので言ってみれば4人目の殺陣師です。出番はないけど。

1人目の殺陣師がかかっていき,ズバッと斬り倒され前回りで1回転。2人目の襲ってくる刀をWKさんが自分の刀で受け止め,すかさず腰のあたりを斬り返して倒します。陰から襲ってくる3人目の殺陣師を振り向きもせずグサッと刺して倒します。赤木は当然その流れるようなチャンバラシーンに圧倒され,自分の刀をおそるおそる構えるだけです。しかし,まだ終了合図の「カット」がかからないのです。

WKさんが不敵な笑みを浮かべながら4人目の殺陣師である私の方を振り向き「かかってこいよ。」という表情をみせ,手招きのような仕草をします。終了の合図の「カット」がかかるまでは演技は続行しなければならないルールです。え,私がWKさんと剣で戦うの?

「やるか!やるしかないのか!」

私が体を震わせながら刀を振り上げてWKさんに飛びかかろうとしたその時,「カット!お前(赤木のこと)は余計なことしなくていい。」ま,そうですよね。私にリアルなチャンバラができるわけもなし。

このシーンの撮影が無事終わり,WKさんが控室に向かうため赤木のそばを通り抜けるのですが,すれ違いざまに二枚目俳優の彼の肩の袖が赤木の袖とそっと触れ合いました。その瞬間,50歳代のおっさんの赤木が乙女チックになってしまい,手を胸に抱えて「イヤン」とうっかりつぶやいちゃいました。これくらいの色気がないと芸能界ではやっていけません。さすがWKさん。