2014年10月30日木曜日

コーヒーブレイク 第4回 「三国志」の武将,誰が好き?


コーヒーブレイク

 
第4回 「三国志」の武将,誰が好き?

 皆さん,「三国志」って知っていますか?そう中国のお話で,3つの国「魏」,「呉」,「蜀」が覇権を争って戦う話です。知らない人も多いでしょう。そんな人のために書いています。当院では中国人の患者さんに話題提供のために「三国志の武将,誰が好き?」と質問しています。今のところ50人に聞きました。そのアンケートの結果を報告します。これまで三国志を全然知らないという人もこれをきっかけに読んでみてはいかがですか?

 第1位は「諸葛亮孔明」断トツの20票。理由:頭がいいから。主人公(といっていいのか)の劉備玄徳は孔明と出会うまでは負けて,負けて,全然だめでしたが,孔明が軍師になって作戦を考えるようになってから勝ち続けるようになり,遂には「蜀」の皇帝になります。物語全体を通しても孔明はスーパースター的な存在です。おそらく中国の人も孔明の魔術に酔いしれているのでしょう。赤木の好きな場面は最初の戦い,博望坡(ハクボウハ)の戦いです。

2位は「劉備玄徳13票。理由:主人公で正統派だから。漢王朝の復興を大義として戦っている正義の味方です。横山光輝さんの漫画では一番格好良く描かかれています。若い時は筵(むしろ)売りの苦労人でした。関羽や張飛をはじめ劉備軍はこの人が好きで集まったのだろうなと思います。一番好きな劉備の言葉は「龍が滝壺に潜んでいるのは,時期を待ち天に昇らんとするがため(今は恵まれず苦労しているが,その苦労によって後の成功がある)。」

この1位,2位が過半数で,票数が少なくなって第3位は「曹操8票。理由:強いから。一言で言えば劉備のライバルと役どころで中国の半分以上を占める「魏」の実質の権力者になります。昔の三国志では悪役の曹操ですが,実際には優れた政治家かつ文化人で近年は再評価されています。中国の人も単に権力が強いから好きという訳ではなく,昔のしきたりにとらわれず新時代を切り開く先見の明に魅力を感じているようです。しかし私にとっては悪い曹操も魅力的で,好きなシーンは「呂伯奢」です。自分が殺されると勘違いした曹操は呂伯奢の家族を殺し,恨まれるのが嫌で呂伯奢を殺し,後で「しまった。呂伯奢の酒も盗めばよかった。」とうそぶきます。

4位はさらに票数が下がって「関羽4票。赤ら顔と長いアゴヒゲがトレードマーク。桃園の誓いで劉備,関羽,張飛は義兄弟の契りをかわします。強いだけでなく知識人でもあります。しかし中国の人が好きなのは義理堅く男気があるところでしょう。私が好きなシーンは赤壁の戦のラストで敵の曹操を昔の恩義から見逃してしまうシーンです。

5位は蜀軍のプロフェッショナル「趙雲子龍3票。実は私の好きなキャラはこの趙雲です。長坂坡(チョウハンハ)の戦いで劉備の赤ん坊である劉禅を救い鎧の中にいれて多数の強敵に囲まれながら戦うシーンが有名です。しかし個人的に好きなのは「街亭の戦い」後の人間的な素晴らしさを感じる所です。こてんぱんに蜀軍が負けたその中で唯一手柄をたてた趙雲。その趙雲に孔明が褒美を与えようとしますが,彼は断り「それを蜀全体に分け与え,敗戦で貧しくなった人々の一時の灯にしてくれ」と泣かせるセリフを言います。こんな趙雲に1票を入れた人には思わず握手を求めてしまいます。

6位は「周瑜2票。理由:美しいから。元々周瑜は選択肢に入っていなかったのですが,熱狂的な女性ファンがいて2票入りました。逆に選択肢に入っていながら1票も入らなかった最下位は「張飛0票。やっぱりね。酒乱で乱暴者だから。劉備,関羽との義兄弟の末弟だけど圧倒的に人気がなかったですね。女性の中には「この人だけはイヤ。」という方もいらっしゃいました。