2015年1月28日水曜日

皮膚疾患マメ講座 第5回 やけど


このコーナーは皮膚病診療について独自の視点で解説します。

 
 やけど(熱傷)は熱湯をはじめ色々な温熱によって皮膚が炎症を起こすものです。

やけどした直後の最初の治療は「冷やすこと」です。病院に行って「一刻も早く処置してもらわなければ」と思って,局部を冷やさずに急いで赤木皮膚科に来られる患者様がいらっしゃいますが結局は院内で氷水により冷やすことになります。

どのくらいの時間冷やせばいいのでしょうか?ものの本によれば30分~1時間とありますがその限りではありません。私は「冷やさなくても痛みが我慢できるまで冷やす。」と説明しています。氷水などで冷やすと痛みが少なくなりますが,冷やすのを止めるとまた痛みがぶりかえります。冷やして,少し冷やすのを休んで,痛みがよみがえってまた冷やして,を繰り返します。痛みがあるイコールやけどの炎症が残っているということですから痛みがなくなるまであるいは我慢できるまで冷やすといいです。とはいえ患者様が赤ちゃんや子供さんだと痛いか痛くないかの判断が難しいですし,極端に冷やしすぎて凍傷になってもいけません。こういった意志不通の患者様の場合は1時間位と冷やす時間を決めてもいいと思います。

 それと熱傷で知っておいてほしい事は,やけどしたその時に一番症状が悪いのではなく翌日あるいはそれ以降に水ぶくれなどになって悪化するということです。最初赤いだけだから大丈夫というわけではないのですね。赤木皮膚科でもやけどしてから一週間は注意深く皮膚症状を観察しています。

 冬はちょっとした油断でやけどしてしまうことがあります。充分お気をつけください。