2019年4月24日水曜日

皮膚疾患マメ講座 第22回 APK 入浴後の手のふやけ


このコーナーは皮膚病診療について独自の視点で解説します。



 今回は病気とまでは言えないかもしれませんが,特徴ある疾患をお話します。

長時間入浴すると手がシワシワになってふやけることがあると思います。これぐらいなら正常範囲だと思われます。

ですが,もう少し症状が強くなり,手のひらが白色にふやけて,一皮(ひとかわ)剥けた状態になるのであれば少し異常かもしれません。手のひらだけでなく足の裏も同じ症状になることがあります。ですが入浴後手足が乾燥するとこの症状は消失してしまいます。

こうした状態になる疾患をA P Kaquagenic palmoplantar keratoderma:日本語に訳すと「水につけると掌蹠がふやける」)といいます。


思ったよりありふれた疾患で当院にも多くのAPKの患者様がいらっしゃるのですが,残念なことに正式な日本語名称はなく,外国語で表現される皮膚病の一つなのです。

 かなり独特で特徴的な症状ですが,病院に行くほどではないと考え,密かに悩んでおられる方もいらっしゃるかと思います。

 原因については不明なところが多いのですが,汗管の異常があるのと何らかの外的刺激によって角層のバリアが破壊されて水の経皮吸収が増加するためと考えられます。

 治療についてです。軽症であれば放置でいいです。しかし薬が必要なら,角化を溶かす上に保湿効果もある尿素クリームがこれまでで一番効果があるように赤木は思います。

コーヒーブレイク 第22回 五輪メダリストにコーチしてもらう


このコーナーは赤木院長の個人的な趣味を綴ったものです。下手な文章にはご容赦。

 
赤木は社会人になってから水泳をはじめました。全身運動が健康にいいかなと考え,一念発起しスイミングスクールに通いました。開業した今も夏季は週に1回ジムのプールで泳いでいます。

 ところで現在大河ドラマでオリンピックに関係した「いだてん」が放映されていますがみなさんはオリンピックのメダリストに会ったことがありますか?少し前のことですが赤木はアテネオリンピック女子200mバタフライで銅メダルを獲得した中西悠子さんに水泳のコーチをしてもらう機会を得ました。

 銅メダルを取った,と言っても金メダルくらいを取らないとなかなか人々の記憶には残らないものです。アテネオリンピックの頃と言えば私は学位を取るための研究に忙しかった時期だったこともあり,正直私も中西さんの名前は知りませんでした。


しかし当時を知る人に聞いてみると,中西さんはオリンピックの直前は世界記録保持者だったそうで金メダルの有力候補だったそうです。残念なことにオリンピックの時に「魚のように速く泳げる水着」が開発されてしまい,それを使用した他国の無名選手が次々と好記録をだしてメダルを取ってしまい,使用していなかった中西選手は銅メダルにしか届かなかったのだそうです。そう聞くと,そんな話もあったかなと記憶がよみがえります。

 当時競泳のエースだった中西さんは悔しい思いもしたということですが,前述の水泳教室では楽しく和やかに我々に教えてくれました。現在は枚方市のスイミングスクールに所属しているらしいので選手以外の一般の人に接する事にも慣れているそうです。とても明るい感じの方でした。


 短時間でしたが個人レッスンがあり,体を引っ張ってもらいながら教わり,レッスン後はサイン会と写真撮影もありました。盛りだくさんで楽しい一日になりました。

 さて,それでは肝心の泳ぎは上手になったかというと,どうでしょう。変わってないか。ですがこれは中西さんのせいではありません。これを書いてて少しずつ記憶がよみがえったのですが,色々注意を受けて後日反復練習するよう指導されていたのですが,すっかりさぼっていたのでした。ウーン,また頑張るか。