2020年4月27日月曜日

皮膚疾患マメ講座 第26回 イボに対するSADBE療法

みなさん,コロナに負けないで頑張りましょう。

 イボという疾患は正式には疣贅と言います。疣贅はイボウイルス(正式にはパピローマウイルス)によって生じ,放置すると大きくなったり多発化したりします。


 液体窒素療法といって疣贅を凍らせて治す治療が一般的ですがなかなか治らない時もあります。3~4か月液体窒素したのにうまくいかなかった場合,別の治療に変更することがあります。その中にSADBE療法があります。日本皮膚科学会の治療ガイドラインにもきちんと記載されています。また液体窒素療法には痛みを伴いますので,どうしても我慢できない患者様の場合にSADBE療法を行う場合もあります。
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【機序】化学薬品のSADBEを疣贅に外用するとかぶれ(接触皮膚炎)をおこし,その免疫反応でリンパ球が疣贅組織に集合し,リンパ球が疣贅ウイルスを退治してしまう。

【方法】院内で12週間に一度SADBEを医師が塗布する。

【効果判定】およそ23ヶ月で判定。治療効果が認められればさらに続行。

もし効果がなければ中止し,他の治療方法に変更する。

【副作用】①かぶれを起こすので紅斑,掻痒感を生じることがあります。ただし当院では1~2例を除き経験していません。

②かなり低い確率ですが,塗布した面積より広い皮膚炎が生じたりじんましんが生じることがあるそうです。赤木は今まで経験した事がありませんが,こういうことがあれば中止した方がいいでしょう。

 ガイドラインにも「副作用の対処は十分に可能で,安全面に問題はない」と書いてあります。


【最後に】特別な治療だから,高確率で治る,というわけではありません。疣贅という疾患はありふれた疾患(コモン・ディズィーズ)ではありますが,難治化長期化することもある奥の深い疾患でもあるのです。
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