このコーナーは皮膚病診療について独自の視点で解説します。
木(こ)の芽時,とは樹木が芽吹く春先を表す言葉です。寒い冬が終わり,気候が暖かくなって人々が活発になり楽しい時期――しかし皮膚にとっては寒暖差や急激な気象変化のため湿疹やアトピー性皮膚炎などの皮疹やかゆみが急激に悪化する,やっかいな季節でもあるのです。いわゆる「季節の変わり目」というやつです。
一般的には立春から春分の日までを指すのだそうですが,赤木の経験では木の芽時によって皮膚が悪化するのは3月15日から4月15日です。
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原因としては1)肌寒い時があるので,汗の管がつまったままなのに急に汗をかいて汗の管からもれてしまうので非常にかゆくなる。2)冬に気温が下がって皮膚が乾燥していたが,急に温度が上がるこの季節は乾燥状態が最も悪くなる。3)自律神経が気温の変化についていけずバランスを崩し,かゆみを強く感じるようになる。4)スギ花粉が飛来して乾燥と合わせてダブルパンチで悪い。5)日が長くなり陽射しが強くなります。紫外線のダメージを受けやすくなる
こうした原因によって特徴のある症状が出てきます。1)今まで効いていた外用薬が効かなくなった。さらに合わないと思って薬をやめてさらに悪化。2)全身のかゆみが強くて搔いてしまう。痒くて寝れない。3)顔面,首,後頚部,手首など露出部に著明な赤や黒で固い皮疹ができる。4)四肢また頭部が乾燥して粉やフケがふく。
これらの症状悪化に対し,1)アレルギーを抑える抗アレルギー剤の内服薬を追加する。2)一時的にステロイド内服を追加する。3)外用剤のステロイドのランクをアップさせる,などを考慮します。
風呂上りや寝る時に患部を冷やすことも結構有効です。