2022年11月30日水曜日

皮膚疾患マメ講座 第36回 ウオノメ、タコの予防体操

 

このコーナーは皮膚病診療について独自の視点で解説します。

一般にウオノメと呼ばれる「歩くと痛い」鶏眼,タコと呼ばれる「かっこ悪い」胼胝腫。これらは外から刺激があって出来ると言われていますが,実際は長い年月歩行することにより足の骨の変形が起こって足の内側から骨による刺激を受けて出来ることが多いと感じています。

そこで私の考案した簡単な予防体操を写真で見せます。

指を拡げる



普段反り返っている足の
指先を下に向ける

 やり過ぎて足がつる時があります。注意してください。

 他にも足の親指の変形には,整形外科の先生が提唱するように,左右の足の親指に輪ゴムをかけて引っ張るのを130回するというのもあります。






コーヒーブレイク 第36回 全国学会でシンポジスト

 

このコーナーは赤木院長の個人的な趣味を綴ったものです。下手な文章にはご容赦。

 2022101日岐阜市で行われた日本医真菌学会でシンポジウムがあり,そこでシンポジストとして登壇,講演してきました。シンポジウムというのは現在新しく話題になっている研究にスポットを当て,専門の演者が学会から数名選ばれ講演するのです。開業医の立場でありながら大学の研究者を差しおいてシンポジストに選ばれ,全国学会で講演するという事はめったにないことなので光栄に感じています。





話す内容は「抗菌ペプチド」についてです。バイキンが皮膚についた時,皮膚の自然免疫が働いてバイキンを退治するタンパクを作ります。このタンパクのことを「抗菌ペプチド」といいます。私が2005年~2006年にかけてドイツに留学していた時に研究していたものです。

一般の人にも理解してもらうためにクイズを作ってみました。

大腸菌という腸内細菌を指で触って細菌培地のシャーレに押し付けます。大腸菌がシャーレで繁殖するのはどちらでしょうか?

A)手袋をした指で大腸菌を触った時

B)手袋をせず素手の指で大腸菌を触った時

正解はA)の手袋をしていた時です。一見素手の方がシャーレでバイキンが繁殖しそうなものですが,皮膚表面には大腸菌をやっつける抗菌ペプチドがあるためBのように大腸菌が死滅してしまいます。

本当は写真が載せれば一番なのですが、写真が見たい方はクリニックで見てください。

人体あるいは皮膚には身の回りの毒性微生物から身を守る自然免疫という免疫システムがあるのです。