2023年10月10日火曜日

皮膚疾患マメ講座 第39回 帯状疱疹ワクチン

 このコーナーは皮膚病診療について独自の視点で解説します。

帯状疱疹ワクチンには2種類あります。1)水痘ワクチン「ビケン」と,2)シングリックス筋注用,の2つです。どちらも健康保険はききません。それぞれの特徴を列記します。

「ハンター・ハンター」より。
コーヒーブレイク39回を参照


1)水痘ワクチン「ビケン」

①注射の種類:皮下注射,②注射回数:1回,③ワクチンの持続効果:5年間,④帯状疱疹の予防効果:51.3%(60歳以上),⑤帯状疱疹神経痛の減少率:66.5%,⑥注意:他の生ワクチンの接種を受けている場合は27日以上間隔をあける,⑦当院での料金:9800円。

 

シングリックスに比べ効果は落ちるものの料金も手頃で赤木的にはお薦めですが,5年ごとにワクチンを打つ必要があります。

 

2)シングリックス筋注用

①注射の種類:筋肉注射,②注射回数:2回,③ワクチンの持続効果:9年間,④帯状疱疹の予防効果:97.2%(50歳以上),89.8%(70歳以上),⑤帯状疱疹神経痛の減少率:100%(50歳以上),85.5%(70歳以上),⑥注意:2回目の接種は1回目の接種から2か月後,⑦当院での料金:23000円×2回。

 

 ワクチン効果は高いのですが,料金が高い上に2回ワクチンを打たないといけないところがあります。TVコマーシャルもあって,こちらの方が人気はありそうです。

                     

「信長を殺した男」より。
コーヒーブレイク39回参照

 共通の副作用としてインフルエンザやコロナワクチンのように,注射した後に腕が熱感を持って腫れたり,痛みを伴うことが高い確率であります。