2024年1月17日水曜日

皮膚疾患マメ講座 第40回 慢性じんましん

 このコーナーは皮膚病診療について独自の視点で解説します。

 慢性じんましんは1ヶ月以上じんましんを繰り返す疾患で,原因は不明と言えます。アレルギー検査を調べても分からないのです。でも原因は必ずあるわけで,赤木は体内に「毒」が入っていると説明しています。毒の正体が分からないのですね。

この慢性じんましんの場合,原因を突きとめるより治療の方が優先です。じんましんの治療薬である抗ヒスタミン薬を継続的に服用するとじんましんを抑えることができます。早く薬の内服をやめたいという気持ちから,じんましんが収まったので内服を早急にやめてしまうとすぐに再発してしまいます。こうなると「いつ蕁麻疹が治るのか」と不安でストレスが溜まってしまいます。



 赤木はこうしたストレスを溜め込まないために抗ヒスタミン薬の定期内服と「病気とつきあう気持ちを持つこと」も大事だとアドバイスしています。その方が気分的にも楽になるはずです。

 とはいえ,薬はできるだけ飲みたくないという気持ちもよく分かります。そこで薬の減量について説明します。

抗ヒスタミン薬の減薬は,薬を飲んでいてもじんましんが1週間出なければ今の半分に減量し,それでもじんましんが1週間でなければさらに半分に減量,というように徐々に半減することを指標としています。もし半減してじんましんが再発するなら減前の量に戻します。例えば12錠内服→11錠内服→2日に1錠内服→出た時だけ内服、という感じです。