2026年10月20日火曜日

皮膚疾患マメ講座 第51回 尋常性白斑

 

(尋常性白斑とは)

尋常性白斑は皮膚の色素が部分的に抜ける病気で,「しろなまず」とも呼ばれています。細菌やウイルスを退治する免疫システムが異常を起こし,誤って色素を作る細胞を攻撃するため色素ができなくなったと考えられます。詳しい原因は不明です。

 (紫外線療法)

 尋常性白斑に対する治療として紫外線療法が最も効果が高いと考えています。当院では開院当初から紫外線療法に力をいれていて,それなりの経験があると自負しています。週2回照射することがおすすめです。患者様の都合で週1回,2週に1回という方法もありますが,色素が出る効果はかなり違ってきます。15~20回照射で少し効果がわかります。その他当院独自の「治りやすさ」を別表に示します。

 (紫外線療法の注意事項)

・紫外線を照射しても白斑の面積が当初拡大することがあります。理由は不明ですが光線が刺激を与えた可能性も考えられます。

・最新のガイドラインでは10歳未満は光線療法がファーストチョイスではなくなりましたが,必要に応じ光線療法を行います。

・最新のガイドラインで光線療法は200回までと言われています。

・別病院(他市,他県)で植皮術をして,光線療法を併用する方法もあります。

 (白斑に対する外用療法)

 尋常性白斑に対する治療外用剤は下記に示しますが,紫外線療法に勝るとは言いにくいです。

・ステロイド外用剤:首から下の白斑に有効とされています。ストロングの強さのステロイド外用薬を1日1回塗布します。12歳以上で4~6か月、12歳未満で2~3か月試します。

・免疫抑制剤:タクロリムス軟膏が最も効果が高く,コレクチム®軟膏,モイゼルト®軟膏は,その効果ははっきりしないものの安全性が高いです。

・ビタミンD製剤:単独では効果ははっきりしないものの光線療法との併用で効果があったという報告があります。

 (診療していて感じること)

 色々書いてきましたが,やはり難治性疾患です。ほんの30年前では「この病気に治療法はない。」と説明してきたような疾患です。当院では試行錯誤しながら光線療法を中心に治療法を模索しています。

 だから「ましになります」とは言えても,「治ります」とは言い難いところをご理解いただきたいです。

・治療していても白斑の範囲が増えることもあります。元々の白斑周囲に拡大することもありますし,関係のない別部位に生じることもあります。

・最初は順調に白斑の面積が減ってきていても徐々に治療が効きにくくなることもあります。

・効果が少ない場合は治療中断することも考慮します。

・これは本当の治療ではありませんが肌色着色料で白斑を隠す方法もあります。

・最新のガイドラインでは半年当てて色素が出なければ治療中止と言われています。当院ではもう少し早め(約3か月)に判断します。