2017年4月27日木曜日

皮膚疾患マメ講座 第14回 たむし、いんきんたむし


このコーナーは皮膚病診療について独自の視点で解説します。



たむしは水虫菌が体の皮膚に感染してできた病変で正式には体部白癬といいます。同様に陰部に水虫菌が感染したものをいんきんたむし,正式には股部白癬といいます。いずれにしても水虫菌が原因で足の水虫つまり足白癬から感染することが多いです。それ以外にも猫やウサギなどのペットからうつるものや,格闘技でうつることもあります。


治療は抗真菌剤の外用で治りますが,広範囲であったり治りにくい症例では内服薬も用いることがあります。私の印象では足白癬よりは治癒率が高いと感じます。内服薬をもらったときは忘れないように内服し,外用薬もしっかり塗るようにすることが大事です。

それ以外に他の人に感染しないよう注意するべきことを列挙します。


1)          タオルや衣服,帽子の共用を避ける。

2)          タオルや衣服は普通に洗濯していいが天日で干すようにする。

3)          患部を掻くと白癬菌のいる皮膚片が落ちてうつるので,掻くことを避ける。

4)          薬を病変に塗布した後は手を洗う。


 以上は患者さん自身が気を付けるべきことですが,それ以外に原因対策として

1)          家族に足白癬,爪白癬の患者がいれば治療させる。

2)          ペットに体部白癬が疑われるときは獣医にみせる。

3)          格闘技をしている方は当院に相談。
などがあげられます。