2018年10月26日金曜日

皮膚疾患マメ講座 第20回 爪白癬(2) 外用療法


このコーナーは皮膚病診療について独自の視点で解説します。



 前回は爪白癬の内服療法について書きましたが,今回は爪白癬に対する外用療法の話です。以前は,爪白癬に対する外用剤は厚くて硬い病爪の中まで薬剤が浸透せず治療効果がほとんどありませんでした。しかし最新式の塗り薬には爪の中まで浸透する成分が入っているため,今までなら内服薬でないと治療困難であった爪の中にいる水虫菌を退治することができるようになりました。これは画期的なことです。


また爪白癬を治療する内服薬は肝臓や腎臓が悪い人には使えないのですが,外用剤なら内臓に影響がないので安心して使えます。

 外用薬が効いてくると根元からいい爪が生えてきます。根治するのに若い人で6か月,年をとると1年近くかかります。


 爪を溶かす成分が入っているので薬液が皮膚に付着すると皮膚がただれることがあります。皮膚に薬液がついたらティッシュペーパーや綿棒でふき取ってください。

ただ爪がぶ厚すぎる場合効果が少ない気がします。また多くの爪が爪白癬になっている場合全部に塗るのもなかなか面倒なので,重症の爪白癬の場合は内服がいいのではないかと考えています。ということは逆に言えば爪白癬の爪の本数が少ない時は外用がいいとうことですね。

 あと薬の値段が少々高めです。