2020年1月28日火曜日

皮膚疾患マメ講座 第25回 眼瞼皮膚炎


当院にも寒い時期や花粉の時期に眼瞼皮膚炎で患者様が大勢いらっしゃいます。

 ステロイド外用剤を塗布すると改善するのですが長期間使用すると眼球に悪影響を与えます。したがって長期にわたり使用する場合はプロトピック®軟膏という薬を使います。

 プロトピック®軟膏はステロイド外用剤ではなく免疫抑制外用剤です。眼球には悪影響を与えにくいと考えられます。とても良い薬なのですがピリピリヒリヒリ刺激感が時々あるのが弱点です

そこでできるだけピリピリ感など刺激を感じないよう以下の方法を太字で提案します。


方法:①最初は刺激感があっても一週間を目指してがんばる。一週間を超えると慣れてくるようです。

②風呂上り直後は皮膚がほてった状態なので,しばらく時間をおいてこのほてりがとれてから塗る。

③いきなり広範囲に塗ると刺激を感じやすいので,最初は狭い範囲にチョンチョンとつけるだけにする。決して薬を伸ばさない。刺激に慣れたら徐々に塗る範囲を拡げる。

③保湿剤を先に塗ったり,混ぜたりすると刺激を感じにくくなる。当院では保湿剤と1:1,あるいは1:2でうすめて開始しています。

④塗ったところ,特にすこし刺激がある時に保冷剤などで冷やす。

⑤どうしてもいけないときはステロイド外用剤と1日ごとに交互に塗布する。

⑥塗った直後は日光を避ける。朝はつけない。



 理屈では非常に良い薬なのですが,この刺激感のため使えない方がいらっしゃいます。

 逆にこうした刺激感がなくても,薬の効果が少ないときは赤木にそう伝えてください。その時はプロトピックの濃度をアップする必要があります。

 また、ステロイド外用剤に比べてヘルペスやニキビなど皮膚感染症をおこすことが多いところも弱点です。

なんだこの漫画は?答えはコーヒーブレイク第25回を見てください。