2017年7月31日月曜日

コーヒーブレイク 第15回 映画「関ケ原」


このコーナーは赤木院長の個人的な趣味を綴ったものです。下手な文章にはご容赦。


 「ついに・・。」

これは石田三成役の岡田准一さんが劇中で使うセリフなのですが,私としても映画公開にあたり心でつぶやくセリフでもあるのです。そう,私がこよなく愛し人生で最も繰り返し重ね読んだ司馬遼太郎さん原作の映画「関ケ原」が8月公開になるのです。

原田眞人監督が約10年かけて構想した映画です。映画通の方はご存知だと思いますがこの原田眞人監督は「ラストサムライ」に出演しハリウッド映画の迫力ある戦闘シーンを経験されているのですが,それに勝るものを日本映画でと考えておられたようです。

こんな思い入れの強い作品となればまたまた性懲りもなくエキストラとして参加しなくてはなりません。


早朝4時に集合,のはずが直前の前日に3時半集合に変更。いやいやそれぐらいはあることです。文化センターで茶色のドーランを顔に塗られ昔の衣装を着ればあっという間に戦国時代の人間に早変わりです。中には茶色ではなく顔面を灰色に塗られている人もいます。どうしてか訊いてみると

「僕,生首になるんです。」

「・・・・・・・・・。」


そんなこんなで撮影地の姫路城に朝6時出発。姫路城は朝8時に開くのでそれまでに撮影を終わらさなければいけないのです。撮影内容を書くのはやめておきますが朝の撮影は無事終了し,文化センターに8時過ぎに戻ります。そのあと待ち時間が長い長い。次は夕方の撮影になるのですが,そんな予定は知らされていないので待つのが長い長い。結局7時間待つことになります。


待っている間やることもないので他のエキストラさんとお話ししたりして時間をつぶします。そんな待ち時間のお楽しみと言えばお弁当,いわゆるロケ弁と言われるものでこれは結構おいしいし量も多めです。みんなが喜んで食べているにもかかわらず,廊下のはずれのロビーで食事もしないで携帯電話をかけているものの相手がつながらないことを繰り返している孤独な人がいます。何やってるんだろう?覗き込んでみると主役の岡田准一様でした。こんな時は気軽に声をかけてはいけません。ましてや電話相手が誰なのか,気になっても訊いてはいけません。


そんなこんなで待ち時間を過ごします。おしゃべりもし,昼寝もし,じっと部屋に閉じこもるのはなかなか大変です。外出は禁止です。そりゃ戦国時代の武士が普通に道を歩いていたら目立ちますもんね。


7時間が経過し午後3時になってやっとお呼びがかかります。今まで何もなかったのに「急いでロケバスに乗ってください。急いで,急いで。」と慌ただしくせっつかれます。じゃあもっと早く段取りつけてよ,と言いたいところですがそんなことはエキストラの立場では言えません。いやあ映画撮影というのは大変なもので素人には先行きが想像もできません。こんなにせっつかれたのにまさかこのあと1時間半もバスの中で待たされることになろうとは。


夕方の撮影は3分で終了しました。えっ,これだけのために7時間+1時間半待ちだったの?そんなことを考えてもエキストラは文句を言ってはいけません。そんなものですから映画撮影とは。

この後,夜の撮影になります。場所は姫路城の裏手にある知る人ぞ知る「鷺の清水」で行われました。撮影内容は秘しますが後日再訪問してみると,目立たない場所なんだけれど撮影のことが思い返され懐かしく感じられました。


夜の撮影が終了し,皆さん疲れ切った面持ちで文化センターに移動。衣装を脱いで化粧を落とし解散になりました。なんか一日損したような気分でした。なのに後日映画の予告を見るとものすごく格好良くなっているから驚きです。この映画のエキストラに参加しておいてよかった。水野晴郎さんは昔言ってました。「いやあ,映画って本当にいいもんですね。」





2017年4月27日木曜日

皮膚疾患マメ講座 第14回 たむし、いんきんたむし


このコーナーは皮膚病診療について独自の視点で解説します。



たむしは水虫菌が体の皮膚に感染してできた病変で正式には体部白癬といいます。同様に陰部に水虫菌が感染したものをいんきんたむし,正式には股部白癬といいます。いずれにしても水虫菌が原因で足の水虫つまり足白癬から感染することが多いです。それ以外にも猫やウサギなどのペットからうつるものや,格闘技でうつることもあります。


治療は抗真菌剤の外用で治りますが,広範囲であったり治りにくい症例では内服薬も用いることがあります。私の印象では足白癬よりは治癒率が高いと感じます。内服薬をもらったときは忘れないように内服し,外用薬もしっかり塗るようにすることが大事です。

それ以外に他の人に感染しないよう注意するべきことを列挙します。


1)          タオルや衣服,帽子の共用を避ける。

2)          タオルや衣服は普通に洗濯していいが天日で干すようにする。

3)          患部を掻くと白癬菌のいる皮膚片が落ちてうつるので,掻くことを避ける。

4)          薬を病変に塗布した後は手を洗う。


 以上は患者さん自身が気を付けるべきことですが,それ以外に原因対策として

1)          家族に足白癬,爪白癬の患者がいれば治療させる。

2)          ペットに体部白癬が疑われるときは獣医にみせる。

3)          格闘技をしている方は当院に相談。
などがあげられます。

コーヒーブレイク 第14回 真田丸ロス症候群


このコーナーは赤木院長の個人的な趣味を綴ったものです。下手な文章にはご容赦。

 
 2017年になって数か月が過ぎました。皆様いかがお過ごしでしょうか。今さらですが去年の大河ドラマ「真田丸」は面白かったですね。赤木はいまだに真田ロスが続いております。とっくに忘れてしまったという方が多いと思いますが数々の名セリフをプレイバック。

 まず最もエキサイティングだった第45回「完封」より。主人公真田信繁(幸村)の大阪冬の陣の戦場で大音声の名乗り。「我こそは,真田左衛門佐(さえもんのすけ)幸村。」歴史の華々しい舞台へ登場する輝かしい場面でした。そしてその直後,信繁の生き方に共感する上杉景勝の「日本一(ひのもといち)の兵(つわもの)~,真田左衛門佐。」という叫びも感動的。このシーンが数ある名シーンの中でも最も格好良くてしびれる場面でした。

 その上杉景勝の第15回「秀吉」の哀愁たっぷりのセリフも好きです。「(信繁がぜひ飲んでみたかったという)利休の茶はわしが今まで飲んだどの茶よりも苦かった。」豊臣秀吉に逆らえず,大好きな信繁の真田家を潰す手助けをするはめに。正義を貫けず無力感に苛まれている心情を千利休の茶に例えてつぶやくのです。赤木は涙しました。

 この回では千利休が上杉景勝の茶を飲む様子を観察してたシーンも秀逸。

利休「上杉殿,ずいぶんと心乱れてはりましたな。しかしまあ,その迷いも途中で吹っ切れたようにお見受けしました。

秀吉「景勝はわしに従うか?」

利休「間違いのう(従うでしょう)。」

この辺に千利休の人間を見る目の鋭さが出ていて,秀吉の評価が高かった所以が現れています。

 さて明るくて勢いのあるセリフは第24回「滅亡」から。命からがら切腹を免れた伊達政宗のゴマすりのセリフ。「これから関白殿下御自ら餅をおつきになられます。これぞ天下餅。お見事!殿下さすがでございます。」以前の大河ドラマ「独眼竜政宗」の政宗とはかけ離れた格好悪さ。この格好悪いはずの伊達政宗が最終局面で身の危険を承知しながら家康に内緒で真田信繁の妻と子供をかくまい男っぷりを見せるところがいいですよね。

 最後は赤木が一番感動した第30回「黄昏(たそがれ)」のセリフ。他人の気持ちを思いやる優しくて真面目な性格のため石田三成と兄信幸の間で板挟みになる信繁。大谷吉継のアドバイスがそれ以後の信繁の生き様を大きく変えました。「(三成や信幸のことは考えず)おのれが正しいと思う道を行けばいい。それが真田左衛門佐(さえもんのすけ)の進むべき道じゃ。

 「真田丸」では冷静で融通のきかない石田三成が登場しましたが,その後熱血漢の石田三成が深く私に関わってくる出来事がありました。なにやら謎の展開は次号で。



2017年2月7日火曜日

皮膚疾患マメ講座 第13回 頭部湿疹


このコーナーは皮膚病診療について独自の視点で解説します。


 頭のかゆみやフケで悩んでおられる方は結構多いのではないでしょうか。頭部湿疹は皮膚の乾燥がきっかけで起こることが多いと私は考えています。

 以前より頭部湿疹に対してステロイド外用剤を使用してもなかなか治らない人がいますが,よく見てみると頭部皮膚に乾燥があり保湿が足りなかったということをよく経験します。実はステロイド外用剤には皮膚を乾燥させる働きがあるのです。

 そこで当院では頭部の乾燥湿疹に対してビーソフテンローションという保湿ローションを頭部に塗布するのがいいと考えています。①風呂上りに痒い所を中心に髪の毛ではなく地肌につける。②23分してドライヤーで乾かす。③それでも痒い時だけ湿疹を治すステロイド外用剤を塗布する。こうすることで症状が軽快する患者様が増えました。

 頭皮の乾燥には洗髪が大きく関与します。頭皮の汚れを取るためにシャンプーを使います。しかしかゆみを取るために,またフケを減らすためにシャンプーを何回もする,といのは間違いです。シャンプーは汚れを取るという点では良いのですが,乾燥を悪化させて却って余計にかゆくしてしまいます。

 それでは乾燥を減らすにはどうしたらいいかというと,シャンプー後にコンディショナーをするのです。コンディショナーが保湿の働きをします。①コンディショナーを髪だけでなく地肌にもつける。②23分おく。③よくすすぐ。

 薬をつけるのは大変ですが,これなら簡単です。男性の場合シャンプーしか使用してない人も多いので,コンディショナーをするだけで劇的に変化することがあるのでおすすめです。

<補足>リンス,コンディショナー,トリートメントの違いを調べてみましたが意外に微妙です。メーカーによっても違うみたいです。異論もありましょうが,赤木の独自の判断で解説すると以下のようになります。

リンス:髪のpHを変えて髪を保護。だから短時間の接触でOK。

コンディショナー:髪の表面をコーティングして保護。その分時間をかける。リンスの 
         働きも同時に行う。

トリートメント:髪の内部の保護,ダメージケアを行う。コンディショナーの機能も含  
        むとも言われる。


 しかし某メーカーに尋ねたところ返答は結構いいかげんだったりするのであまり厳密に考えない方がいいですね。

コーヒーブレイク 第13回 映画「3月のライオン(前編)」に出演


このコーナーは赤木院長の個人的な趣味を綴ったものです。下手な文章にはご容赦。



  昨年某日,書写山円教寺で撮影された映画「3月のライオン(前編)」にエキストラとして参加しました。319日に公開されますので見てやってください。3月のライオン」は原作がマンガですので本屋でも売られていますがアニメでもNHKの土曜の深夜に放映されています。かなり人気のある作品らしく映画はその実写版になります。知らない人は全く知らないと思いますが将棋の世界の話です。


私の役どころはカメラマンです。映画の冒頭,加瀬亮さん演じる宗谷冬司名人と挑戦者が円教寺の野外舞台で対局を行うシーンがあり,それを写真に撮るのです。カメラマン役や取材陣役のエキストラは総勢200人近くになりますが,野外舞台の上に立つ少数派と野外舞台の下に構える多数派に分かれます。私は運良く少数派である舞台上のカメラマンに選ばれたので,舞台下にいるエキストラに比べかなり目立っているため映画の画面で自分を判別できるのではないかと期待されます。


宗谷冬司名人を将棋盤の前でじっと待つ挑戦者,そして将棋関係者。それを囲む大勢の報道関係者。宗谷名人が現れるとそれまでの和やかな雰囲気が一変し,緊張感に包まれます。対局場に歩をすすめる名人,その姿を収めようとカメラマンのフラッシュが輝きます。その中で一人,動きが緩慢で粘って撮影するカメラマンが宗谷名人の威圧感に圧迫され,浮かべていた笑みを消し思わず下を向いてしまう・・・。そんなシーンがあります。この最後のカメラマンの役を赤木が演じます。カットされている可能性もありますが。


映画監督は「るろうに剣心」などで有名な大友啓史監督です。監督は現場と少し離れた調整室でモニターテレビをみて「はいOK。」「もう一度ワンテイク。」とか指示を出すのです。それなら現場の細かな指示を誰が出すのかというと数人の助監督が仕切るのです。昔は映画監督が現場の撮影カメラの傍らで「カット。」とかやってたイメージがあったのですが最近は違うのでしょうか?


それはさておき,映画に重要な役である舞台上のエキストラ達に助監督の細かい演技指導が入ります。「はい,このタイミングで腰を下ろしてください。」「ふすまが開いたら緊張感を持ってください。」「役者が座って,少し遅れるタイミングで出て行ってください。」「写真が上手く取れているかカメラを覗いて確認する演技をしてください。」私にも念入りで熱の込もった演技指導が入りました。


ところで宗谷名人と対局する挑戦者を演じるのが「海猿」や「僕のヤバイ妻」などで有名な俳優の伊藤英明さんです。さすがというかとても格好良く,近くでお会いできて感激しました。




2016年11月8日火曜日

皮膚疾患マメ講座 第12回 妊娠中に使える薬

今回は少しデリケートな話です。



 妊娠というとおめでたい話なのですが,妊婦さんが病気になるとお腹の赤ちゃんへの影響を考慮し,内服治療が難しくなります。内服薬の多くは「妊婦さんへの安全性は確立されていないので妊婦さんには処方しないこと」と注意書きされているからです。
 しかしそうした薬の中でも世界で数千の妊婦症例に使用されたが問題はなかったとされる薬があります。この「問題はなかった」というのは「流産や奇形が発生しない」という意味ではなく「流産率(約15%),奇形発生率(約3%)に変化はなかった」という意味です。この辺がデリケートなところで,お間違えないようお願いしたいところです。


 当院においても妊婦さんで,じんましんが治らない,水ぼうそうになってしまった,ばい菌が入ってしまった,という患者さんがいらっしゃいます。そんな時に提案したい内服薬をご紹介します。



抗アレルギー剤:アレグラ,ジルテック,ザイザル

抗生剤:セフェム系

抗ウイルス剤:バルトレックス

その他:ネオーラル


 それでも薬の影響を絶対受けなくする方法は薬を飲まないことしかありません。ご心配であれば飲まない方がいいでしょう。


 この内容は,妊娠と薬情報センター長 村島温子先生のご講演の内容を参考にしています。
 ちなみにNSAID鎮痛剤と瘢痕を治すリザベンは内服しない方がいいそうです。あと産婦人科の医師の中でもステロイド外用剤がお腹の赤ちゃんに悪影響を及ぼすと言う人もいますが間違いですので信じないでください。

コーヒーブレイク 第12回 素晴らしき知床の自然

 この前,学会で北海道の知床に行ってきました。知床は雄大な自然と他では見ることのできない珍しい動物が満載です。知床の観光拠点は2か所あり,知床半島の西のウトロと東の羅臼(らうす)があります。それぞれ観光船が出ているので色々な野生動物を直に見るため乗ってみました。



 ウトロ:観光船おーろら

 知床半島の先っぽ,知床岬が見られる海岸沿いの船旅。目的の動物は野生のヒグマです。海岸沿いにヒグマが生息して活動しているのが見られるはずだったのですが,残念ながらヒグマには遭遇しませんでした。ですが写真だけ載せます。



船上で足だけがとても赤い変わった鳥が私の頭上を飛び越えていきました。この鳥はケイマフリといい,知床の海鳥のシンボルで絶滅危惧種なのです。ケイマフリという名前はアイヌ語で「赤い足」という意味です。



 羅臼:観光クルーズはなます

 羅臼コンブにあこがれのある赤木としては羅臼に訪れることをとても楽しみにしていました。巨大な国後島がすぐぞばに存在し,この島に自由に行き来できないことを確かに不思議に感じます。

 さてこのはなますのクルージングの目当てはなんといってもマッコウクジラです。めったに生で見ることはできないのでワクワクしていたのですがクジラを見ることはできませんでした。その代りシャチがたくさん船の周りに集まってきて海面から顔を出します。こんなに多くのシャチを間近で見られるチャンスはもうないと思います。他にも野生のイルカがジャンプするのも観察できました。



 私が乗ったクルージング船以外の船で,いくつかのテレビ番組で芸能人をのせて有名になったN号クルージングはとても繁盛していました。しかし非常に多くの観客が乗り合わせて混雑し個人のスペースが狭いうえ,その体重の重さのために船が半分沈んでいました。シャチが右方に現れると客が右側に片寄るためそれこそ船がひっくり返りそうになって客も転落しそうです。船長の「押さないでください、押さないでください。」という絶叫が絶え間なくスピーカーから流れた時,思わず「あっちの船にしなくてよかったなあ。」と口にしたほどです。



 その他陸上ではキタキツネやエゾシカ,エゾリスなどが見られました。オオワシやオジロワシなどは見るのは難しいと覚悟していましたが,やはり目にすることはありませんでした。