2019年8月6日火曜日

コーヒーブレイク 第23回 研究会の幹事を務める

 令和元年721日大阪で第107回関西真菌懇談会が開催され,私が幹事を務めました。

今までも座長は何度もしたことがあるのですが,会頭にあたる役割を経験した事は初めてだったので結構緊張しました。一般演題5題と特別講演1題全てに司会をしなくてはならなかったからです。


 この会は真菌,すなわちカビの感染症を扱っている研究会です。第107回という数字からもわかるように伝統のある会なのです。一般演題もとても珍しくて興味津々の症例報告ばかりでした。関西ろうさい病院の福山先生がハリネズミから感染した白癬の症例,堺市の東先生がチワワから感染した白癬の症例を発表され,天理よろづ病院の田邉先生がなんと日本で40年ぶりに発見された黄癬の症例を報告されました。


 特別講演は赤木の恩師でもある島根大学皮膚科学教室の森田栄伸教授に,白癬菌が人間に侵入しようとしたときそれを防ぐ働きのある抗菌ペプチドについて話をされました。実はこの抗菌ペプチドは赤木が島根大学にいた時の研究課題だったものです。


 森田教授は赤木が助手(今では助教といいます)として島根大学で働いていた時期に助教授として広島大学から赴任されました。明るくてきさくな性格の方で一緒に食事に行ったり,テニスをしたり,結婚式では乾杯のあいさつもしていただき大変お世話になった方なのです。


 2次会では前述の福山先生や田邉先生とともに森田先生のリクエストで鉄板焼きの店に行きました。鉄板焼きの料理を食べながらワインのグラスを傾けるのは,まるでドラマ「ドクターX」の一場面のようでリッチなひと時でした。


私としてはこの会を成功させようと長い時間をかけて計画し,それが達成できたことに大きな喜びを感じています。私にとって近年の中で最も有意義で晴れやかな一日でした。

2019年4月24日水曜日

皮膚疾患マメ講座 第22回 APK 入浴後の手のふやけ


このコーナーは皮膚病診療について独自の視点で解説します。



 今回は病気とまでは言えないかもしれませんが,特徴ある疾患をお話します。

長時間入浴すると手がシワシワになってふやけることがあると思います。これぐらいなら正常範囲だと思われます。

ですが,もう少し症状が強くなり,手のひらが白色にふやけて,一皮(ひとかわ)剥けた状態になるのであれば少し異常かもしれません。手のひらだけでなく足の裏も同じ症状になることがあります。ですが入浴後手足が乾燥するとこの症状は消失してしまいます。

こうした状態になる疾患をA P Kaquagenic palmoplantar keratoderma:日本語に訳すと「水につけると掌蹠がふやける」)といいます。


思ったよりありふれた疾患で当院にも多くのAPKの患者様がいらっしゃるのですが,残念なことに正式な日本語名称はなく,外国語で表現される皮膚病の一つなのです。

 かなり独特で特徴的な症状ですが,病院に行くほどではないと考え,密かに悩んでおられる方もいらっしゃるかと思います。

 原因については不明なところが多いのですが,汗管の異常があるのと何らかの外的刺激によって角層のバリアが破壊されて水の経皮吸収が増加するためと考えられます。

 治療についてです。軽症であれば放置でいいです。しかし薬が必要なら,角化を溶かす上に保湿効果もある尿素クリームがこれまでで一番効果があるように赤木は思います。

コーヒーブレイク 第22回 五輪メダリストにコーチしてもらう


このコーナーは赤木院長の個人的な趣味を綴ったものです。下手な文章にはご容赦。

 
赤木は社会人になってから水泳をはじめました。全身運動が健康にいいかなと考え,一念発起しスイミングスクールに通いました。開業した今も夏季は週に1回ジムのプールで泳いでいます。

 ところで現在大河ドラマでオリンピックに関係した「いだてん」が放映されていますがみなさんはオリンピックのメダリストに会ったことがありますか?少し前のことですが赤木はアテネオリンピック女子200mバタフライで銅メダルを獲得した中西悠子さんに水泳のコーチをしてもらう機会を得ました。

 銅メダルを取った,と言っても金メダルくらいを取らないとなかなか人々の記憶には残らないものです。アテネオリンピックの頃と言えば私は学位を取るための研究に忙しかった時期だったこともあり,正直私も中西さんの名前は知りませんでした。


しかし当時を知る人に聞いてみると,中西さんはオリンピックの直前は世界記録保持者だったそうで金メダルの有力候補だったそうです。残念なことにオリンピックの時に「魚のように速く泳げる水着」が開発されてしまい,それを使用した他国の無名選手が次々と好記録をだしてメダルを取ってしまい,使用していなかった中西選手は銅メダルにしか届かなかったのだそうです。そう聞くと,そんな話もあったかなと記憶がよみがえります。

 当時競泳のエースだった中西さんは悔しい思いもしたということですが,前述の水泳教室では楽しく和やかに我々に教えてくれました。現在は枚方市のスイミングスクールに所属しているらしいので選手以外の一般の人に接する事にも慣れているそうです。とても明るい感じの方でした。


 短時間でしたが個人レッスンがあり,体を引っ張ってもらいながら教わり,レッスン後はサイン会と写真撮影もありました。盛りだくさんで楽しい一日になりました。

 さて,それでは肝心の泳ぎは上手になったかというと,どうでしょう。変わってないか。ですがこれは中西さんのせいではありません。これを書いてて少しずつ記憶がよみがえったのですが,色々注意を受けて後日反復練習するよう指導されていたのですが,すっかりさぼっていたのでした。ウーン,また頑張るか。

2019年1月22日火曜日

皮膚疾患マメ講座 第21回 冬のあせも


このコーナーは皮膚病診療について独自の視点で解説します。



 皆さん,ランニングなど運動していい汗かいていますか。今回は汗に関連した話をします。汗には温熱発汗基礎発汗があります。温熱発汗とは運動や入浴などで体温が上がった時にかく汗のことです。


ランニングの場合少しずつ体温が上昇するので問題ないのですが,冬場の入浴の場合いきなり体温が56度上がります。すると人間の皮膚は大量の汗を出そうとするのですが冬だと角質が乾燥して固くなっているため,汗は皮膚外に出ず皮膚内にもれてしまいます。   

これがじんましんのようになって非常にかゆくなったり,あせものように赤いぽつぽつができたりします。冬のあせもは汗をかかなくてもできます。

冬場の入浴後全身が赤くなってかゆくなるのにはこうした汗のもれが関係していることがあります。特に子供は大人に比べてとても暑がりなのでその傾向は顕著です。できれば子供さんの入浴温度は低い方がいいでしょう。38℃が理想ですが無理はしすぎなくていいと思います。


これに対して基礎発汗というのは普段からじわじわかく,汗をかいているとは自分で感じない微妙な汗のことです。そしてこの基礎発汗を促進することが皮膚の乾燥を防ぎ,アトピー性皮膚炎を治すことができると杏林大学の名誉教授 塩原哲夫先生はおっしゃっておられます。

 基礎発汗を促進するにはどうしたらいいか。簡単な方法としては足浴が挙げられます。家の風呂場で洗面器に43℃のお湯を入れて,510分足浴をします。足はすぐ熱くなりますが体は徐々に熱くなって基礎発汗が増えるそうです。43℃というのは結構熱く口で言うほど簡単ではないため最初は無理せず短時間でもいいと思います。

 また神戸大学の先生の意見では岩盤浴もいいそうです。サウナはすごく暑いのでだめです。じんわりと汗をかくのがいいのです


 それでは足浴も岩盤浴も難しい時にはどうしたらいいでしょうか?前述の塩原先生の話によると,腕や下肢に保湿剤をあまり伸ばさないでべたべたに塗って,その後ラップで包むのがいいそうです。大量の保湿剤が発汗を促進させます。

乾燥のひどい,あるいはステロイド外用剤のききにくいアトピー性皮膚炎患者様はこの方法をためしてみてはいかがでしょうか。


コーヒーブレイク 第21回 マラソン大会にチャレンジ


このコーナーは赤木院長の個人的な趣味を綴ったものです。下手な文章にはご容赦。

 

マラソン大会といっても本当に42㎞走るわけではありません。私が参加するのは10㎞の部です。数年前から健康のためにランニングをはじめ,目標をつくるためにマラソン大会に参加するようになりました。

飾磨東部の開業医さんで私と同様に10㎞ランを趣味とした先生方と一緒に毎年宍粟市さつきマラソン大会に参加しています。

元々走るのは苦手だったので,タイムは気にせず完走することを目的としていました。大会参加を始めた当初は,途中から歩いていたので完走してもタイムは1時間40分くらいかかっていたのですが,練習を積み重ねていくと徐々にペースがアップして最近では1時間を切るようになりました。速い人から見ると平凡な記録でしょうが,ライバルはあくまで自分自身。記録が塗り替えられるのは非常に誇らしく思えます。

このように書いていくと,マラソンというのは自分との戦いだから「根性で走れ!」といった根性論を想像されるかもしれませんがそうではありません。もちろん日々の練習(私は週に12回ジムに通っています。)も大事ですが,ちょっとした工夫が大きく役立ちましたのでご紹介します。



     ストップウォッチを見ながら走る。

ストップウォッチ付き時計がないと今どれぐらいの距離をどれくらいのペースで走っているか分からないので困惑して気力が持続しませんでした。ストップウォッチがあると「今は無理しないペースで走って,後半取り戻そう。」とか「いいペースだから苦しいけどあきらめずに頑張って走ろう。」と精神的に踏ん張ることができます。

     ウォークマンを聞きながら走る。

音楽は偉大です。テンポのいい曲を聴きながら走るとそれだけで無理なく速く走れます。

     飴玉をなめながら走る。

これは礒川先生に教えて頂いたのですが,飴玉をなめていると,のどが渇くのが抑えられるのと同時に血糖が上がりエネルギーとなります。これによって楽に走れます。

     ウインドスプリントをする。

実際に走る前に準備運動として短距離ダッシュを数回します。これをすることによって競技前に心臓が目を覚ますので,本番で心拍数が上がる時に苦しまないのです。



色々書いてきましたが,これからもあまり欲張らず,健康増進のためマイペースで走り続けたいと考えています。


2018年10月26日金曜日

皮膚疾患マメ講座 第20回 爪白癬(2) 外用療法


このコーナーは皮膚病診療について独自の視点で解説します。



 前回は爪白癬の内服療法について書きましたが,今回は爪白癬に対する外用療法の話です。以前は,爪白癬に対する外用剤は厚くて硬い病爪の中まで薬剤が浸透せず治療効果がほとんどありませんでした。しかし最新式の塗り薬には爪の中まで浸透する成分が入っているため,今までなら内服薬でないと治療困難であった爪の中にいる水虫菌を退治することができるようになりました。これは画期的なことです。


また爪白癬を治療する内服薬は肝臓や腎臓が悪い人には使えないのですが,外用剤なら内臓に影響がないので安心して使えます。

 外用薬が効いてくると根元からいい爪が生えてきます。根治するのに若い人で6か月,年をとると1年近くかかります。


 爪を溶かす成分が入っているので薬液が皮膚に付着すると皮膚がただれることがあります。皮膚に薬液がついたらティッシュペーパーや綿棒でふき取ってください。

ただ爪がぶ厚すぎる場合効果が少ない気がします。また多くの爪が爪白癬になっている場合全部に塗るのもなかなか面倒なので,重症の爪白癬の場合は内服がいいのではないかと考えています。ということは逆に言えば爪白癬の爪の本数が少ない時は外用がいいとうことですね。

 あと薬の値段が少々高めです。

コーヒーブレイク 第20回 西郷どんの舞台,鹿児島に行く


このコーナーは赤木院長の個人的な趣味を綴ったものです。下手な文章にはご容赦。

 

皆様,大河ドラマ「西郷どん」が佳境に入ってまいりましたがご覧になっていますか。およそ2年に1回の割合で大河ドラマに関連した話を提供している赤木ですが,今回は鹿児島県の魅力の一部を同ドラマにからめて伝えようと考えました。1枚目の写真は鹿児島市中心部にある西郷隆盛像です。

それでは「西郷どん」のオープニングに出てくる風景を紹介します。まずは鹿児島のシンボル桜島。今も生きている雄大な活火山で男前という表現が用いられます。続いて高山の峰で西郷さんと大久保さんがすれ違うシーンがありますが,ここは宮崎県との県境近くの高千穂峰です。また山の頂上近くのはずなのになぜかみとめる大きな湖。これこそは大浪池です。

ちなみに途中子供が戦国武士の格好をして走る祭りのシーンがありますがこれは妙円寺詣りといって,関ケ原の戦いで薩摩の猛将島津義弘が徳川家康軍を相手に敵中突破を敢行して関ケ原から鹿児島まで脱出したことに由来する行事です。

そして最大の見どころは近年知名度が急上昇した雄川(おがわ)の滝です(写真)。落差46mの滝の水が流れ落ちる滝つぼにはエメラルドグリーンの水面が広がり,人々を神秘的な気持ちにさせてくれます。

ちょっと不気味ですが西郷隆盛終焉の地である西郷洞窟(写真)。最後の5日間を過ごしたそうなのでドラマの終盤で登場するはずです。一応チェック。

話はがらっと変わって食べ物の紹介です。黒豚のとんかつ,豚しゃぶ,さつま揚げ,魚のきびなごなど色々あるのですが,赤木の一番のおすすめは「しろくま」。暑い季節に行ったせいもあるのですがフルーツたっぷりのミルク味かき氷はたまらなく美味しかったです。

他にも色々ありすぎて書けないのですが,最後に紹介するのは釜蓋(かまふた)神社。釜ふたを頭にのせて鳥居から賽銭箱まで落とさずに歩いて参拝すれば願いが叶うというやり方(写真)がとてもユニークです。ぜひとも皆さん体験してみてください。